NO.4

LEE Yujin

担当教員によるコメント

脳細胞のシナプスのように画面を縦横無尽に走る線。これらは、作者の内に秘めた感情を表わしています。3年次以降、具体的なものではなく、イメージするものを感情と連結させ抽象的に表現する行為そのものが作者にとって一番しっくりくるもののようでした。抽象絵画として観者に感情を伝えることはなかなか大変なことです。作者にとって特に強いインスピレーションであった迷いの感情、悲しみの感情を繰り返し制作することは、その行為自体が作家へのストレスとなり、生みの苦しみを与えます。それでも懸命に制作に取り組み、最終的にカラーバリエーションの組み合わせを展開することにより、画中に引き込まれるような不思議な奥行きを齎(もた)らしました。写真の作品は4連作で、喜怒哀楽の感情の一部です。シルクスクリーンのスタイリッシュな表現が、4点の作品の完成度を高めており、李さんの大きな成長を感じます。

教授・佐竹 邦子