きょうもフウセンウオたちは、
宮﨑 咲希
担当教員によるコメント
宮﨑咲希さんの作品は、フウセンウオという丸く愛らしい体が特徴的な魚をメインに、海の中での一場面を描いている。彼らの世界にも個があり社会が存在する。それぞれお互いが繋がることで関係性を生み出し、個性に基づき役割を持って生活をしている。そんな魚達の社会は、水性木版画の版の重なりから生まれる柔らかい色調と和紙の有機質に包まれて、どこまでも暖かく豊潤な世界を広げている。一方、我々の人間社会は人間関係の希薄化や経済格差など多くの問題を抱えながら生活をしている。本質を見失うことばかりなのかもしれない。作者は水族館に足を運んで透明感漂う魚達を眺めながら、現代社会の歪みと混沌を思い、この豊かな水中の世界を描くことで浄化しようとしているのではないだろうか。
教授・古谷 博子
- 作品名きょうもフウセンウオたちは、
- 作家名宮﨑 咲希
- 作品情報技法・素材:水性木版
サイズ:H606×W1830mm - 学科・専攻・コース
- カテゴリー