いつかどこかの遠い星

永井 靖人

担当教員によるコメント

(永井君には申し訳ないが)作品自体の良し悪しよりも、この題目に対してのアプローチはとても興味深かった。この作品の原型は3DプリンターのPLA 樹脂で出力され、その後にイタリア式鋳造により素材転換された作品である。技術的な話でいうと鋳造される原型の肉厚は5mm程とされていて、この厚みが鋳造の成功率に繋がってくるのだが、この厚みにするのは修練が必要である。しかし、この方法であればデータ上で5mm設定にし、出力すれば鋳造に適した原型が出来上がることで、ルネサンス期から行われてきた鋳造方法に一石投じる作品となった。彫刻制作は決められた所作が必要な場面も多いが、素材研究から既存の手法に結びつけた永井君自身の制作姿勢は今後も続けてもらいたい。

講師・木村 剛士

  • 作品名
    いつかどこかの遠い星
  • 作家名
    永井 靖人
  • 作品情報
    技法・素材:ブロンズ、アルミ、白熱電球
    サイズ:H150×W80×D50cm
  • 学科・専攻・コース