卒業制作優秀作品集2020
演劇舞踊デザイン学科

卒業制作 舞踊公演

西山 泰斗『花と額縁』

期間:2020年1月24日(金)~26日(日)
会場:多摩美術大学 上野毛キャンパス 演劇舞踊スタジオA
舞踊(16分)

担当教員によるコメント

「名前は泰斗、西山、、泰斗」
悩み多き若者たちはある指導者を選び授業を選択した。作品を作ること自体がわからない彼女彼らは、無表情に私の前に立ち尽くしていた。それはほぼ2年前の春である。西山泰斗君にふれながら振り返ってみる。自分の独自性とは?この疑問は誰でも持つし、そんなものは無意味だと言う者もいる。しかし私は独自性とは何かを思考すること自体に意味があると考える。基礎を徹底して学んだのちにしか得られないこと。故に学生に与えるこの困難は無駄ではない。困難、それを受け入れる時にこそ、その人独特の発見がある。困難が人の特徴を見出す。追い詰められ辛い時にこそ、密やかな予感に気づくなら乗り越えることができる。容易さへの注意は浅く、課題はいつまでも繰り返される。蓄積は膨れ上がり手に負えなくなり息苦しい巨大なものになってしまう。西山泰斗君は後がない土俵際のギリギリのタイミングで長年の困難を乗り越えた。困難が与えてくれるチャンス、困難から逃げずに得たなにか、様々な意味での「力」。地道な環境での「想像性」という「生きる基盤」を得たと私は願いたい。ひとりに限らず課題に向かった仲間、少しだけ向かうタイミングがずれた仲間も含めて全員に願い期待したい。「困難を解決する地道な想像力」、そして入学時に一番初めに告げた「卒業時には自分の考えや思いを自分の言葉で話せるようになろう」という言葉を繰り返して、卒業制作を履修登録した他の4年生全員に向けた私の挨拶にします。失敗をするのが生きること、失望は親友。自分も他人も見捨てないこと、そういう人に必ず見知らぬ誰かは共感します。良いことを自分のものだけにせずに他人に渡しましょう。これからの新たな空っぽに向かってがんばって。
「泰斗君、いい作品になったし、いいダンスでした。」

教授・勅使川原 三郎

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