my gourmet note

作者によるコメント

自身が実際に巡ったお店を絵と文章でノートにまとめたグルメ本。全38ページ制作した。このノートを見れば思い出が鮮明に蘇る様な作品にすることをテーマとしている。
読んでいてストレスがないようにイラストの配置や余白のバランスや文字間に気を使い、ごちゃごちゃしすぎず見応えがあるレイアウトを研究した。この作品を見た人に感動してもらえるように全体的に華やかに仕上げることを心がけた。
大学４年間の学びで取得した「自分らしさ」を目一杯詰め込んだ作品。

担当教員によるコメント

曽我部の卒業制作は、自身が実際に訪れ、手に入れ味わい尽くした厳選の“食の情報書”である。メディアは市販されている小さなポケット手帳たった一冊だけだ。しかし、各ページは余すところなくリアルなイラストレーションと文章で埋め尽くされている。しかも全てが精緻な原画であり書き文字である。ページをめくるたびにその執拗さに驚かされ、見る側は彼女の美のエネルギーに夢中にさせられる。曽我部のクリエーションに対する姿勢、そして、思考と表現への拘りは常に周囲とは異なる深度があった。画一化したプリントによる意味なき定着と、見せかけだけのスケール観へのアンチテーゼがこの一冊に込められている。小さな巨人の鮮烈なデビューである。

教授・澤田 泰廣