Coherence:彗星が来る夜、一人でご飯を食べていた

趙 文欣

作者によるコメント

20代の孤食生活の経験から生まれた作品です。「宇宙」と「孤食」のポスターを並べて展示し、そして本と宇宙空間の動きを表現したアニメーションも制作しました。孤食の人々をイラストレーションで表現し、同じ経験が持っている人々に繋げる。最終的には、孤食している人々により広い外部世界があることを認識させたい。

担当教員によるコメント

一人で食事する20のシーンがイラストレーションで描かれ、それぞれのシーンには宇宙空間を描いたグラフィックが対になっている。この作者のイラストレーションには、物語を想起させる力がある。シンプルなフォルムで人物を描いても単なる記号に終わらず、わずかな首の傾きやちょっとした目の位置、かすかな輪郭線のふくらみで、その人物の心の内側や前後の時間を想像させる。そんな造形表現に並々ならぬ力量を感じる。さらに、これらの人物像に宇宙空間を対比させた構成が、作品世界を膨らませる。すぐれた物語はときに、通り過ぎていく現実の体験を人々の胸に留め、より大きく、より深く、もう一度体験させる力を持つ。この作品が描く2020年の日常風景には、神話のようなスケールがある。

教授・服部 一成

作品動画

  • 作品名
    Coherence:彗星が来る夜、一人でご飯を食べていた
  • 作家名
    趙 文欣
  • 作品情報
    グラフィックデザイン
    技法・素材:Illustrator、紙、After Effects
    サイズ:ポスター=H841×W594mm(40点)/本(1点)/映像(1点)
  • 学科・専攻・コース