八つ手教伝記、White Book
金子 哲郎
作者によるコメント
「怪しい宗教団体が制作した宇宙人を教祖とした聖書(歴史書)」を制作しました。作品の始まりはまず大ひらがなというひらがなよりも上位の、漢字に成り代わるフォントを制作しました。そこから普通の文字よりも上位のフォントなのだから、それを扱う存在も人間よりも上位の存在なのではないかというように発想していって巻物が出来上がりました。同じように特大アルファベットも自作して上製本を作りました。
担当教員によるコメント
宇宙からやってきたタコとイカが日本とヨーロッパに定住し、それぞれに民衆を導き、宗教を立ち上げ、やがて両者で対立して抗争を繰り広げるという壮大な歴史が、両者の視点から描かれた本作は、もともとはアルファベットの大文字・小文字をひらがなに導入する=大ひらがなを創る、という着想から生まれました。そこからタコが生じ、さらには大・大文字(アルファベット)が生じ、イカが生まれました。もともとアイデア先行で作品を制作することの多かった金子さんですが、本作でストーリーテラー、挿画家としての力を開花させています。作品のスケール・描写・製本・印刷に行き渡った世界観は、金子さんがそれまでの限界を明らかに超えた作家性を発揮して、ひとつのエンターテインメント作品を完成させたことをまざまざと示しています。
准教授・佐賀 一郎
- 作品名八つ手教伝記、White Book
- 作家名金子 哲郎
- 作品情報イラストレーション
技法・素材:Illustrator、Photoshop、CLIP STUDIO PAINT、紙、木材
サイズ:上製本=H370×W307mm(1点)/巻物 H350×W7200mm(3点) - 学科・専攻・コース
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