あいだの相槌
小野 優花
作者によるコメント
この作品は、聞き手の相槌が話し手にどのような影響を与えるのか研究し、表現への翻訳を試みたものです。
私は、相槌の探索をするなかで2点の発見があり、面白いと感じました。1点目は相槌の誤認識と強い共感に伴い発言が重なること、2点目はその前兆として「トリガーとなる相槌」が顕れることです。本来の会話分析は言葉と記号を用いてそれを表現するのですが、記号を用いず糸とピンだけで相槌を表現しました。
担当教員によるコメント
言葉と言葉を交わす間に生まれる相槌。それは時にハッキリした声だったり、小さく頭の揺れる気配だったり様々なカタチをしている。この作品は二人の対話の中で発生した相槌の姿を取り出し可視化した作品だ。日常生活の中では見えにくい相槌の姿が、糸を繋ぐことで現れる。糸がリズム良く繋がる様子は、相槌がいかに私たちの対話を力強く支えてくれてるかを感じとることができる。コロナ禍であらゆる会議がオンラインになりコミュニケーションが取りにくくなったとの声も多い。そのような環境で対話に必要なものは高解像の映像や音声だけではなく、柔らかな相槌を伝える余裕を持つことなのかもしれないと感じさせてくれる。
講師・清水 淳子
- 作品名あいだの相槌
- 作家名小野 優花
- 作品情報立体
技法・素材:虫ピン、毛糸、ラワン合板、ハレパネ、カラーテープ
サイズ:H450×W3200×D15mm - 学科・専攻・コース
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