WONDER LAND

南谷 理加

作者によるコメント

卒業制作では今まで取り組んでこなかった大きなサイズの作品を制作したことで、今まで見えてこなかった自身の絵の可能性を見出すことができました。とても新鮮な感覚で描きたいものを楽しく描くことができたのでよかったです。今後とも制作に励んでいきたいと思います。

担当教員によるコメント

南谷さんは独特の不思議な情景を素早い筆致で描く。アトリエを訪れるといつも大量の描かれたキャンバスが重ねて置かれていた。会話しているときも隙を見て筆を動かし、キャンバスに絵具を滑らせて描いていた。思いがけないイメージを次々と生み出す尽きない想像力を持っており、猛スピードで様々な奇妙なシーンを描き上げ、それぞれがどれも違っている。描かれているのは非現実的なシーンだが、生々しい流動的な筆触から、迫真に迫って描いたことが伝わってくる。卒業制作は描く行為に重きを置き、線や色面を強調しつつ画面上で再構成しながら描いているように見える。その結果、描かれた状況の謎がより深まってきて魅きつけられる。今後さらなる展開が見られそうだ。

准教授・日野 之彦