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渡邉 豊弘 

作者によるコメント

壁にかかってるだけの自分の絵を見て「なんかつまんないな〜」と思っているうちにできる限り変な展示方法にしたいな〜と言う感情が湧いてきました。その感情は段々とエスカレートしていき、今回は“絵を回す”と言う方法に落ち着きました。絵、回った方が面白いからみんな回した方がいいと思います。機会があれば展示室ごと動かしてみたいです。

担当教員によるコメント

絵画の定義という大問題に挑戦している渡邊豊弘であるが、その方法はギリギリである。どうギリギリかというと、たとえば、壁から頼りなく突き出した垂木の先にやっと引っかかっている1枚のキャンバスがあり、これは「壁に付いている」から「絵画」なのだと言う。設置もいい加減なら、絵の内容も、スマートフォンを開けば何の苦労もなく集められる画像を素にした、脈絡のない希薄なものである。リアリティも説得力もない。しかしそれがなんだというのだ。渡邊の作品はポップなセンスに満ちあふれていて勢いがあって、示唆に富んでいて見ていて気分がいいし、上手くまとめようとしないところがかっこいいし、なによりも、絵とは自分が描きたいものを描くのであるという1番大事なところが合っていて、もうそれでいい。

教授・吉澤 美香