フェレット

佟 昊霖

作者によるコメント

骨は命の存在していた証拠である、骨に残された傷や跡はレコードのように一つ一つの命の物語が記録されている、それは個体の生活スタイルと先祖からどうやって進化してきたことがわかる。イタチ科動物の骨格をモチーフにし、実際に飼育しているフェレットを参照しながら制作した作品である。四年間で習得した金属に関する知識を利用し、細かいパーツを一つ一つ銅の地金から作り、ロウ付け技法で一つの作品に組み立てた。

担当教員によるコメント

大学に入れない異例の状況で始まった今年度だが、トンは自宅で黙々と作業に励んだ。カメラで映された彼のアパートには、買い揃えたばかりの道具や機材が所狭しと置かれ、作業工程に合わせて使いやすいようにレイアウトされていた。ワンルームでここまでやれるのかという驚き。モチーフこそシンプルだが、制作工程は極めて複雑である。大学が開けたあとも、家で、大学で、次々と新作を作り、作るごとに確実に技術を上げた。状況に左右されず自分の作業に集中して出来上がった作品群は、この時代を生き抜く知恵とたくましさの結晶のようだ。

教授・高嶺 格

  • 作品名
    フェレット
  • 作家名
    佟 昊霖
  • 作品情報
    技法・素材:銅、錫(鍛金、鋳金、りん銅ロウ付け)
    サイズ:H15×W40×D15cm
  • 学科・専攻・コース