イエローホラー“ショウ”
田中 晶
作者によるコメント
「個人的陰陽太極図」における陽気が極まる時の神様。とにかくハイテンションで側から見ればグロテスクなまでの迸るアッパー状態は、自分にとってはただの現実か、あるいは箱庭的な世界なのか?世の中には多種多様の「神」がいるが、ならば自分の神様はそれらの内どの神様なのかとずっと探してきました。結果、わたしの神は何かのパロディであり自分自身の一種の虚像なのだろうと思いました。
担当教員によるコメント
「陰陽太極図」。陰陽太極図といえばあの白黒の勾玉2つの図である。陰気と陽気の均衡、あるいは陰気の中の陽気、陽気の中の陰気。これは社会的事象のバランスでもあり、私的な心のバランスでもある。彼女はコロナ禍の自宅制作中は、自身の部屋の中を「陰陽太極図」で構成した作品を展開し、小さな世界ながら、大きな摂理に挑む姿が印象的だった。全身が光る様な黄色で、アイコン化されたキッチュな表情の作品は(しかも6連ピース!)、世の中を照らす陽気に満ちている。疫病・飢餓・天災により、数々の像が仏の形を借りて物質化されてきたが、ヘーゲルの「螺旋的発展」の様に、今の時世に必要だからこそ、モニュマンとして彼女の中から生まれ出たのかもしれない。
講師・木村 剛士
- 作品名イエローホラー“ショウ”
- 作家名田中 晶
- 作品情報技法・素材:発泡スチロール、ボンド、粘土、塗料
サイズ:H220×W254×D120cm - 学科・専攻・コース
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