第12回12月11日に八王子キャンパスにて、建築・環境デザイン学科の卒業生である株式会社三菱総合研究所の田丸文菜さん(19卒)、アクセンチュア株式会社の川島里沙さん(21卒)、文京区役所の渡邉沙未さん(22卒)の3名をお招きし、キャリアデザイン特別講義を開催。多摩美での学びが仕事につながった経験のほか、在校生たちがこれからのキャリアを考えるうえで重要となるポイントについて話していただきました。16株式会社三菱総合研究所社会インフラ事業本部都市イノベーショングループ 学生時代は建築やランドスケープ、インテリアに関する課題に取り組むほか、産学連携プロジェクトにも参加するなど忙しい日々を送っていました。その中で特に関心を持ったのは、環境デザインを通じて社会や地域の課題に貢献することでした。卒業制作では、地域の雨水や地下水を循環して活用できるような新しい集合住宅のかたちを提案。卒業後はマンチェスターにある建築系の大学院への留学を経験し、歴史ある建築物のリノベーションに関する実践的な研究を重ねました。 こうした経験を踏まえ自分のやりたいことを考えた結果、たどり着いた企業が三菱総合研究所でした。当社では、主に官公庁からの依頼を受け、医療やエネルギー、教育といった幅広い分野における社会課題の解決に携わっています。私はまちづくりの専門家として、公共施設の基本計画づくりなどに参加。建物を建てて終わりにするのではなく、将来にわたって持続可能な活用方法を探る仕事にやりがいを感じています。 最近、仕事でもアートやデザインに関する話題が増えており、美大生の就職のチャンスは広がっていると思います。学生時代に培った表現力はもちろん、作品作りの過程で問いを追求してきた経験が、企業・社会で課題解決をしていく上で大いに役に立ちます。企業が取り組む“課題点の見極め”は美大生の得意分野だと思うので、“なぜ”をとことん突き詰める力を磨いていってください。住宅や建築に関する研究を持続可能なまちづくりに活用100号特別編三菱総合研究所「美大卒業生の少ない場所にこそチャンスはある」田丸文菜さん2三菱総合研究所・アクセンチュア・文京区役所で活躍する卒業生に聞くデザイン力を社会で活かすキャリアデザイン企業の人事担当者・卒業生に聞く多摩美への期待と実績
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