TAMABI NEWS 100号(学科を超えた授業)|多摩美術大学
8/24

082019年度Pacifi c Rim「Undercover Street Culture LA×TOKYO:Eat・Shop・Play」はアメリカで行われた Pacifi c Rimは、アメリカの協定校であるアートセンター・カレッジ・オブ・デザインと2006年から実施している国際協働教育プロジェクトです。両校のデザイン分野で学ぶ学生たちが、高齢化問題から日本の伝統工芸まで、グローバルかつローカルなテーマを取り上げ、デザインが果たすべき役割について探究し、革新的な解決案を提示していきます。 17回目となるプロジェクトでは、「Healing Light - 癒しの光」をテーマに、日本における光と影に対する深い理解と最先端技術、生 見た人をワクワクさせたいという思いのもと、さまざまなメディア表現に取り組んでいます。パシフィックリムへの参加を決めたのは、国際交流への強い興味があったからでした。昨年度は英語力に自信がなかったことから断念したのですが、今回は勇気を出して一歩踏み出すことにしました。 フィールドトリップを通じて日本の伝統工芸における「重なり」や「透け感」の美しさに感銘を受けた私たちは、「PlaRain®」という新しい素材を使用し、光の透過性や層の重なりを活かした空間の制作に挑戦。ペアを組んだアメリカの学生とは表現の方向性が近く、制作はスムーズに進行しました。ただ、文化や言語の違いもあり、時には気持ちのすれ違いが生じる場面も。しかし、体リズムを意識したデザイン、空間に自然の要素を取り入れるデザインなど、癒しの要素を含むデザインについて研究を行いました。 本プログラムの実施期間は3カ月にわたり、フィールドトリップでは、日本各地の企業やギャラリー、美術館などを訪問。学生たちは、伝統的な工芸品やインスタレーション、住宅用のライティングや工場の照明などの見学からインスピレーションを受け、LED・アクリル・粉体塗装等のワークショップにより素材の知識や技術を学びました。お互いが文字や身振り手振りを活用しながら考えを共有し、ふたりで作品を完成させることができました。 ペアの学生との交流は、人生に対する考え方も豊かにしてくれました。彼女は社会人を経て、現在はアートセンターで学んでいます。その自由な生き方に触れ、自分の将来の選択肢が広がったと感じています。2024年度「Healing Light - 癒しの光」最終発表会でのプレゼン(上)と作品紹介(下)の様子参加学生の声共同制作を通じて文化や価値観の違いを感じたことが刺激にボーダレスの時代に世界で通用する力を磨くことが重要とわかっているなら、チャンスを見逃す手はありません。海外に飛び出す前に挑戦してみませんか。メディア芸術 3年大崎栞さんデザインが社会に果たす役割を探求アメリカのアートスクールと協働する「パシフィックリム」国際協力授業視野を海外へ広げる

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る