とみあし次富2多摩美術⼤学×WASEDAEDGEプログラム連携講座 「ビジネスアイデアの『表現⼒』を鍛えよう!」早稲⽥⼤学と多摩美術⼤学プロダクトデザイン専攻が連携して企画・実施する起業家育成講座が、7⽉26⽇、⼋王⼦キャンパスでスタートしました 。講座には、⽴命館⼤学、東京理科⼤学の学⽣も参加しています。⽂部科学省 平成29年度次世代 アントレプレナー育成事業「EDGENEXT ⼈材育成のための共創エコシステムの形成」(主幹:早稲⽥⼤学) の⼀環として⾏われるもので、本講座では起業家育成を⽬的とした『ビジネスモデル仮説検証プログラム』がグループワーク形式で展開されます。内容は、新商品・新サービスのアイデアを、多摩美が持つノウハウであるプロトタイプの適切なデザイン⼿法を学びながら、最後は各グループが投資家の前で新ビジネスをプレゼンする、全8回の講座です。この新たな試みについて、早稲⽥⼤学の教員陣にお話を伺いました。飯野 将⼈(WASEDAEDGE 講師) 数年前からシリコンバレーでは、「デザイン」や「デザイナー」という⾔葉が、とても⼤きな意味を持ち始めています。従来の具象化されたものや作り⼿的な意味だけでなく、「ビジネスをデザインする」のように構想⼒そのものの意味で使われたり、「デザイン思考」といった⾔葉が聞かれることがその⼀例です。ですが、多摩美の安専攻教授)に初めてお会いした時「今頃何を⾔ってるんですか」、と(笑)。私たちビジネス側の⼈間は、この「デザイン」の捉え⽅を新しいと思ってい た のですが、プロダクトデザインの現場ではごく当たり前のことだったことに、驚かされました。堤孝志(WASEDAEDGE 講師) ビジネスの現場でデザインが重要視され始めたことには、世 界的な潮流を感じます。今、ビジネススクールでデザインの学位も同時に取るコースが増えています。これまでのビジネススクールといえば、⼤企業の新しいと思っていた捉え⽅が多摩美ではごく当たり前のことだった飯野 将⼈(グローバルエデュケーションセンター客員教授/ラーニング・アントレプレナーズ・ラボ株式会社 代表取締役)東京⼤学法学部卒。⽶国ハーバード⼤学経営⼤学院修了。ベンチャー投資に取り組む他、⽇⽶複数のスタートアップの経営に参画。先⽣(プロダクトデザイン役職者になる⼈などのための訓練学校のような位置づけでした。ですが、これからはアントレプレナー(起業家)としてゼロからビジネスを創出する必要性があり、その時重要なのがデザインということな の でしょう。デザインを学ぶということは、これからの社会で活躍する上で⼤きな武器になっていくでしょうね。堤 早稲⽥では平成 26 年度より、シリコンバレーにおける最新の新規事業創造⼿法をアレンジした⼈材育成プログラムを実施してきました。ここで は「最⼩限のプロトタイプ(試作品)を作って検証し、問題点を改善しながら、いかに効率良く成功するビジネスモデルに結びつけるか」という、リーン・スタートアップという⼿法を実践的に学びます。事業化するには仮説検証が必要で、そこに⽣まれたのが「頭の中のアイデアを何らかの形で表現する」というニーズでした。つまりプロトタイプを作ると頭の中を形にできないもどかしさ。課題は、相⼿に伝える「表現⼒」堤 孝志(グローバルエデュケーションセンター客員教授/ラーニング・アントレプレナーズ・ラボ株式会社 代表取締役)東京理科⼤学⼯学部卒。McGill⼤学経営⼤学院修了。スタートアップから新規事業まで、事業創造の⽀援と投資活動を⾏う。いうことですね。プロトタイプがあれば、皆により良く理解してもらえ精度の⾼い検証が⾏えます。ところが、ここに課題が⽣じました。せっかくアイデアがあっても具象化する表現⼒が乏しいため、イメー ジ をうまく表現できなかったのです。そこをいつも、もどかしく感じていました。飯野 少し補⾜しますと、プロトタイプという⾔葉も多義性があって、ほぼ最終製品に近いものをそう呼ぶ場合もあれば、簡 単に描いたスケッチでもプロトタイプたり得ます。伝えたいメッセージや検証したい内容によっては、プロトタイプは簡単なものでもいい。要は、作る技術⼒だけの話ではなく、何を何のためにどう伝えるかという「表現⼒」が重要というわけです。堤 そういった課題を解決し、さらに先を⾏くプログラムを実現したいという期待から、多摩美術⼤学に声をかけさせていただきました。そして、今年早稲⽥⼤学が主幹校として採択された「EDGE -NEXT」の⼀環として、多摩美と共に新たなスキル習得を⽬指す連携講座「ビジネスアイデアの『表現⼒』を鍛えよう!」の実現に⾄ったのです。島岡 未来⼦(早稲⽥⼤学研究戦略センター准教授)早稲⽥⼤学第⼀⽂学部卒業後、国際環境NGOに勤務。退職後、早稲⽥⼤学公共経営研究科で博⼠号取得(2013 年 )。「WASEDA-EDGE⼈材育成プログラムの運営」に携わり、2016 年より事務局⻑代⾏。新ビジネス創出を⽬指す「起業家育成」の連携講座シリコンバレ ーではデザインという⾔葉の重要性が増しています
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