TAMABI NEWS 76号(パブリックアート特集)|多摩美術大学
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 4撮影=加藤 健撮影=上原芳⼦撮影=⾼﹁アート展⺬⾵景鏡と共に⾒せる⽇本の四季 ⽇本の四季を連想させる絵画 5 点で構成。鏡も設置され、⽴つ場所によって絵画はさまざまな顔つきを⾒せる。他のフロアにも⾏きたくなる絵画 絵画は 3 点あり、3階から5階までの各階に1点ずつ設置。いずれも躍動感のあるフォルムが特徴的で⽬を奪う。内海聖史(02年 ⼤学院油画修了)│「あたらしい⽔」 14年設置堂本右美(85年 油画卒業)│「《⺠》」 17年設置 美術館やギャラリーだけが作品の展開の場とは限らない。近 年、⼤型の複合施設がオープンするたび、そこに設置されるアート作品のニュースを⽬にすることが、もはや当たり前となった。先⽴つ例として、2003年に開業した六本⽊ヒルズがある。敷地内には森美術館や屋外作品も多くあり、鑑 賞 ⽬ 的の訪問者で今もにぎわう。 この成功の後に登場したのが2014年にオープンした⻁ノ⾨ヒルズ。ホテルにオフィス、住宅、店舗や飲⾷店などが同居するこの複合施設にはアート作品も多く設置され、そのひとつであ作品の個性が場の品格を創り上げるる内海聖史さんの作品「あたらしい⽔」も存在感を放っている。 2017 年春にオープンしたGINZA SIXも空間と⼀体化したアート作品が話題となり、多くのメディアが取り上げた。堂本右美さんの油彩画もそのひとつ。買い物客でにぎわうエリアから少し離れたところに設置され、ゆとりのある豊かな空間をアートによって演出する仕掛けだ。このように、アート作品の設置によって場の世界観やムードが醸成され、他にはない魅⼒的な空間を創り上げる。 アートが施設の顔となる例は、⼤ 型の複合施設に限らない。2016 年秋に開業したラグジュア関根伸夫(68年 ⼤学院油画修了)「⽔の神殿」 91年設置[地下通路・丸の内]奥村彰⼀(17年 ⼤学院⽇本画修了、⽇本画副⼿)「連年豊作吉祥図」 17年設置リーホテル、フォー シ ーズンズホテル京都。約800 年の歴史を受け継ぐ名庭「積翠園」を擁するホテル館内には、⽇本⼈アーティストの作品が⾄るところにちりばめられ、訪れる⼈の⽬を楽しませている。エレベーターホールの神⼾智⾏さんによる絵画もそのひとつだ。京都という国際的な観光都市で、ホテルというおもてなしの場においてもアートの役割を⾒ることが できる。 2015 年に東証⼀部上場を果たしたバイオ医薬品企業、ペプチドリーム株式会社の敷地内のビジネス街で若⼿アート展 昨年のアワードは2500点以上の中から114 点をノミネートして展⺬。⽇本有数のビジネス街・丸の内を彩った。周囲の環境と⼀体化したアート 春には桜、秋には紅葉など周辺の樹⽊と共に成り⽴つ彫刻。環境の中でアートを⽣かそうとする試みだ。企業やアワードも公共空間へ⻁ノ⾨ヒルズ[複合施設・⻁ノ⾨]GINZA SIX[複合商業施設・銀座]東京都庁[庁舎・新宿]⾏幸地下ギャラリー集客の要として注⽬されるアート

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