7メッセージ高度で多様な映像表現が求められる時代に対応できる人材を育成するために、アニメーションおよび、CMディレクションの授業を通じて映像教育を進めています。今現在の多摩美には映像学科やアニメーション学科はありませんが、各学科の理念に則った映像表現とその教育がある、ということが特徴です。本学科でも単なる技術者教育ではなく、ビジュアルコミュニケーションができる表現者を育成するためにカリキュラムを考えています。卒業制作でアニメーションを選択する学生の多くは、最初からそれを学びたい、作りたいと思って来ているわけではありません。大半はさまざまなカリキュラムの中で、自身の能力や適性、仕事の面白さや可能性に気付いて自らの将来を決めていきます。グラフィックデザインの仕事の領域は広いだけに、いろいろな体験の中から選べるのが本学科であると思ってください。基本は、好きこそ物の上手なれ!です。会場となった共通教育棟405号室には、平日午後にも関わらず100人以上の学生が集まりました。AC部の名を一躍有名にしたアニメ『ポプテピピック』。その第7話に登場し、国内外から反響を得た高速紙芝居「ヘルシェイク矢野」の実物を前に、学生からは大きな歓声と拍手が。「実際しゃべりながら動画で撮って、それを見て動きなどを練習します(安達さん)」「観客がジャンプをするという動きでは、手の形にもこだわっています。でも、動画だと意外と目立たずもったいなかった(板倉さん)」と、裏話を語る二人。『ふわふわの死』18年卒業制作・水間友貴さん 輪■転生・不滅の愛をテーマに、ポップな色彩でネコとイヌのキャラクターがイマジネイティブに動き回る、MV風に作られた作品。「ギブミ〜!トモタカ」のペンネームで作家活動をしている彼女の真骨頂。作品テーマに沿って作られたオリジナルソング(13年グラフィックデザイン卒業・松永あさりさん作)に気持ちよくシンクロするアニメーションのなめらかな動きが圧巻です。私がアニメーション指導の中で一番大切にしていることは、オリジナリティを持ったグラフィック・スタイル。この作品も圧倒的で独創的な世界観と美意識、そして観客を魅了するメジャー感があふれています。Q.影響を受けたものや、キャラクターをデザインする上で気を付けていることを教えてください(高校3年生・ななえさん、掛布さん)A.例えば劇画漫画であったり、その時々に興味ある漫画を模写して上澄みを手に入れ、ちょっと勘違いした程度に共感しつつも、「なんかおかしいな」というのを 作り出そうとしています。例えば“ボブネミ”も、アニメという枠がある中でどうしたら一番視聴者に刺さるか、違和感が出せるか。ということを考えました。[映像授業⑤]ツールとして授業で活用される映像映像は作家の表現方法のみならず、本学の授業においては“当たり前”と言っていいほど日常的なコミュニケーションツールです。プロダクトデザインや情報デザインコースをはじめとした多くの学科で、課題発表時などに必須の効果的な手段として、映像を用いています。[映像授業⑥]評論のために用いられる映像芸術学科には、評論を学ぶ中で映像を制作する授業もあります。き、うまくできるとうれしくなる。でも、そこで満足するのか、そこから何かないかと掘っていくのかってことですよね。掘ったらそのまま道を進める場合もあるし、そうじゃない場合もある。だけど掘り続ければ、何らかの自分だけの道にいけると今も思っています。AC部だって別に「こんな絵を描きたい」って目指していたわけじゃなく、やり続けてたらここに来ちゃった(笑)。こうしなきゃと思ってもうまくいかない、そんなときちょっと考え方を転がしてみると、急に見えてくることがある。常に工夫を忘れないことですね。意外ととんでもないアイデアって、遠くじゃなくて、すぐ脇にあったりします。僕も常に、いろんなことをやろうとチャレンジしています。種をまきまくって、そこから何かが発芽すればいいなって。挑戦を繰り返すという進め方は、学生時代に培われた姿勢ですね。板倉やりたいことがあったとして、それを思い続けていたらチャンスがポンとやってくることがあります。でもそれがチャンスだと気付けるかどうかは、その時頑張っているかどうかによる。では何を頑張るかというと、そこは自分で問い続けなければ出てこない。いつかチャンスがやってきたとき、掴める確率を高めるためにも、頑張って、頑張り続けてください。情報デザイン情報デザインコース「活動のデザイン展」より(宮崎光弘教授)─常に“見る人の目”を意識されてきたのですね。ほか、今への糧となっていることはありますか?板倉 学生時代のある日、当時の教授に「君たちは、稼ぐことはいくらでもできるよ」と言われたことですね。まだそんなに稼げていないけど(笑)。「そうか、この先明るいんだな」と、パッと目の前が開けた感じがしました。その時は、将来は就職して生活していくというイメージしか持っていなかったのですが、いろんな可能性があると気付かされたんです。卒業後、一度はゲーム会社に就職しましたが、あの時の「君たちは」という強い言葉が自信となり後押しとなって、今に至っているように思います。安達とにかく自分たちが面白いと思うことをやり続けてきたってことです。漫画でもイラストでも、ちゃんとやればいずれそれっぽいものがで─最後に、後輩たちへのメッセージを。安達 多摩美で一番良かったと思うのは、周りの空気感ですね。レベルも意識も高い人ばかりの中でどうやっていくかと考える、それだけでも大きな価値があった。切磋琢磨とまでは言わなくても、せざるを得ない雰囲気があった。もしここでの経験がなければ、きっと何もできなかったと思います。漫画やCGを使った映像でPR動画やMVを手掛け、今年TVアニメ『ポプテピピック』内コーナー「ボブネミミッミ」で話題を呼ぶなど、今最も注目を集めているクリエイティブチーム「AC部」。5月9日、八王子キャンパス共通教育棟にて行われた、本学の卒業生であるお二人の公開インタビューの模様をご紹介します。何か面白いことをやりたい思いで、いろんな模索をしたことが今に繋がっている
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