「気軽に覗いてみて」ァフフインアートで学ぶ映像の授業って、フっ8曽根章さん(映像センター技術職員)に聞く多彩なメディアや技術に対応するコア・センターとして2001年に開設されたメディアセンターは、本学全ての学生が利用できる共同施設です。八王子キャンパスには、研究・情報・映像・写真・工作などの施設と設備があり、中でも映像センターには、スタジオや撮影機材の他、3DCG映像編集や3D加工機材の充実、ペンタブレット最大手Wacomより最新情報と製品を取り入れ可能な体制など、業界水準の環境が整い、学生たちは自由にその設備を利用することができます。さらに、経験豊かな技術職員が常駐し、制作をサポートしてくれるのも大きな特徴。単に技術面だけではなく、目的をかなえるための多様な方法や考え方など、気付きを重視したサポートが得られることから、課題制作だけでなく、表現の可能性を広げようという学生たちが日々訪れています。版画専攻では約10年にわたり、映像の授業を行ってきた実績があります。担当の田所貴司非常勤講師は本学油画を卒業後、モーショングラフィックスやVFX(CGや合成処理による実写映像の加工技術)の分野で活躍しているキャリアから、ファインで学ぶ学生の考え方や目的に合わせた指導を行ってきました。また日本画、油画専攻の1、2年生を対象にした選択制の技法講座でも映像の講座があり、今年も開講を予定しています。授業ではカメラの構造、基礎的な画像処理技術を学ぶほか、コマ撮りアニメーションを制作します。このように、ファインアートで学ぶ学生にも映像への入り口が開かれています。田所貴司(版画 非常勤講師)主体的に眺めるものだった映像は、これから限定的な枠やメディアに依存する事がなくなっていくでしょう。映像は既に、「見る」だけの視覚伝達の枠を超えようとしている。自分がこれからどうやって夢を実現していくのか? 考えていくそのそばに必ず映像はある。Globalな視野を養うためには、とても良いツールだと思います。初めてここを訪れ設備を見た学生は、「すごい!」と目を輝かせます。ここには大画面液晶タブレットやウルトラワイドモニターをはじめ、アニメーションでもCGでも、あらゆる映像制作をかなえる編集ソフトがそろっている。インターンシップに参加する学生のために、その現場と同じ環境を整えることもあります。これらを用意するとき、一応どんな機材やソフトが欲しいかと学生の要望を聞きますが、僕はさらに、一線で活躍する先生や、卒業後もつながっているここのOBたちからプロ先進の情報を得て、それ以上の、日々の進化のその先をゆく環境を用意してやろうと企てます。技術職員として、学生の驚きと期待に満ちた顔を見るのが楽しみなのです。映像センターには複数の技術職員が常駐し、サポートをします。でも、ここはただ教えるだけの場所ではない。自分のイメージを具現化するためにこの設備をどう使うか、それは学生に委ねます。知り合った学生同士で教え合うなど、学科を超えて、技術だけでなく本質的な共感を得られる仲間と出会える交流の場となることもあります。実際、ここから多くの作品が誕生しています。「東京プロジェクションマッピングアワードVol.0」で優勝賞を受賞したでんすけ28号くん、持田寛太くん(P3、P5参照)もそうですし、“デジスタ”で日本代表となった作品(P9参照)なども生まれました。また、「プログラミングを使ったアニメーションをやりたいが、他ではできない」という理由で、3年次に多摩美に編入してきた学生も、よく利用していました。映像センターをいち早く見つけた学生はラッキー。一度気軽に覗いてみてください。授業とはまた異なる学びや発見が得られることでしょう。上=学生たちはおのおの制作する中で、曽根さんはじめ技術職員の方にサポートしてもらったり、ここで知り合った先輩や仲間に教わったりしながら技術を高めます。 左下=この日初めて訪れたという油画の1年生たち。「これだけの設備を使えるなんて、感激です。途中授業で抜けますが、また後で戻ってきます」。 右下=「写真、ビデオとも撮影に必要な機材も潤沢にそろっており、予約すれば誰でも貸出可能です」と語る、 技術職員の岸本宏太さん。版画2年(現3年)高荷伊吹さん シンプルだが丁寧に、細かな編集で組み立てられています。ここまで行きつく為には、プランニングからワークフローまで、地味な制作過程において、手を抜かずに計画を立てていたからこそ実現できたと感じます。短い編集は、1フレームを意識しながらも、細かな音を拾っている、制作者のセンスを感じます。(版画「特別講座Ⅱ」より ) [映像授業⑦]メディデデアセンターの施設を使ィ八王子キャンパス メディアセンター最新機材でも初めてでも気軽にサポートが受けられる利用できる映像機材やスタジオを全学生が
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