メディアセンター”映像の新たな技術を習得したい、もっと知識を広げたい、竹中直人や大谷健太郎らを輩出したサークル映映像演出研究会映像演出研究会映像演出研究会竹中直人さん©LESLIEKEE9 メディアセンター所長インタビュー久保田晃弘(情報デザイン学科 教授)いまの時代、映像や写真はデフォルトで、入りやすいメディアです。さらに、自動的に被写体のベストな瞬間を撮影するカメラの登場のように、もはや人間が撮る必要すらなくなってきました。いま重要なことは、例えばAR(拡張現実)をそのまま使うのではなく、新しいことをするためにARをハックするといった柔軟な思考だと思います。それを後押しするために、各学科内の教育はもちろん、学科の関係を超えるメディアセンターがそのプラットフォーム的な役割を果たしています。多摩美の卒業生が映像分野で活躍できる理由は、固有の映像技術だけを学ぶ学科を設けず、多様な組み合わせが生まれる環境にあると思っています。※竹中さんは、挿画的扱いで竹中直人さんの画像クレジット©LESLIE KEE左=映像スタジオ(上野毛スタジオ)撮影、上映、展示など多目的に利用できるスペース。研究室・部署単位での申し込みにより利用可能。下=林知明さん(技術職員)竹中直人や大谷健太郎らを輩出したサークル竹中直人や大谷健や大谷健太郎らを輩出したサークル林 万季人部長(情報デザイン メディア芸術コース2年)に聞く上=『conflux sea』 江原里奈、越野遥、杉田良真、須田涼介、畑田佳奈、近藤沙紀、林万季人 ロトスコープという、モデルの動きをカメラで撮影し、それをトレースしてアニメーションにする手法を使って制作した共同制作作品。実際の人の動きをアニメーションに描き起こす事でしか生まれない味や、メタモルフォーゼなどさまざまな表現を楽しむことができる。下=『超特殊警察ぽりるちゃん』 ほおのきまき イラスト、BGMやEDなどを含む音楽、声優、脚本、動画編集とほぼ単独で制作したギャグアニメ作品。現在第8話までネット上にて公開中。映像演出研究会メンバーの作品はこちらよりご覧いただけます。▶http://eienken.sakura.ne.jp/index.html作品はこちらよりご覧いただけます。▶https://www.nhk.or.jp/abu-digista/index_j.html映像撮影に必要な機材が多種そろう部室。レフ板やスタビライザー、三脚、水中撮影が可能なGoPro他、アニメーション用のライトテーブルやタッピング機を所有、実写、アニメ両方の設備が整う。モニターとDVD、Blu-rayプレイヤーがあり、作品や映画などの鑑賞会も。部員になれば誰でも使用可能。学科の枠を超えて一つの制作に取り組むという、サークルならではの利点を生かして結果を得た好実績があります。ABU(アジア太平洋放送連合)の教育プロジェクト「ABUデジスタ・ティーンズ2015」で、当時彫刻4年戸嶋優多さん、グラフィックデザイン3年横山那月さん、メディア芸術2年小野暁旦さんの「昆虫を造る蟲」チームが制作した3DCG作品『The Best Gift for Mom』が日本代表に選ばれ、ブルネイ王国で開催された国際映像フェスティバルに出場。それに先駆け、NHK Eテレで放映された国内大会には、実写作品『ラバー ONLY KNOES』を制作した工芸3年岩澤侑葵さん、情報デザイン2年上妻紘人さん、芸術1年■口泰造さんの『OTAKU侍』も出場しました。メディアセンターの教室で実施した講習会。先輩が講師となって指導にあたる。映像演出研究会(以下、映演研)は1974年に発足し、以来、竹中直人さん、大谷健太郎さん(P2参照)をはじめ、多くの映像作家を輩出してきました。また、「ABUデジスタ・ティーンズ」など多数の受賞歴もあります。現在の部員は55名ほどで、部員同士で共同制作に取り組む人、一人で技術を伸ばそうとする人など、各自が自由に映像制作に取り組んでいます。映演研の強みは、OBも含め、先輩後輩の関係が強いことですね。新人が入部する今年4月には、それぞれ得意な部員が講師となって、「Adobe Premiere Pro」「After Effects」「一眼レフカメラ」の使い方について計3回の講習会を行いました。GWには毎年恒例のキャンプを行い、交流を深めます。映像、CG、実写、アニメなど、みな得意分野が異なりますので、ここでお互いをよく知って語り合うことで、自分がやりたいこと、その力となる仲間を見つけるのです。また、合宿などにOBの先輩も参加し、プロの世界の情報を提供してくださるのも大きな特徴です。部で最大のイベントは、芸術祭。レクチャーホールの大スクリーンで上映できる上、一般の方の評価が得られるチャンスでもあります。僕はメディア芸術コースで、プログラミングを中心に広く映像について学んでいますが、ここならより深く制作に取り組めると思い入部しました。ですが映演研は、学科はあまり関係ありません。今年は油画専攻の新入部員が目立ちました。アニメーションが作ってみたい、知識豊富な仲間と知り合いたい、普段アナログでしか制作したことがないからデジタルに触れたい、など、動機も技量もさまざまです。そんな仲間が情報交換し合いながら自分のやりたい「映像」に向き合えるのが、映演研の魅力だと思います。イメージをさらに形にしたい。そう思ったとき、メディアセンターには、先進の設備を備える映像センターがあります。上野毛キャンパス メディアセンター映像、写真、撮影、録音、機材と、スタジオを中心に設備が整う上野毛キャンパスでは、技術職員の林知明さんを中心に、学生の制作支援を行っています。今年、新たにMCシアターも加わり、発表の場としてもより充実しました。「ABUデジスタ・ティーンズ2015」で日本代表に学科、学年の枠を超え刺激し合える場となる部室映像のこれから
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