多摩美生の声昭和大生の声 企業との連携事例 2018.09〜│連携学科=統合デザイン〈米山貴久教授、米田充彦非常勤講師〉7がいのある方に限らず、ずず年齢、体格、習慣の違う人々が日常的に利用する水まわりの設備や機器には、ユニバーサルなデザインが求められています。このプロジェクトは11月の成果発表会を目指して進行しています。多摩美の学生は、たとえ対象者についての医療的な知識がなくても、情報から想像をふくらませアイデアを生み出していくところが私たちと違う、と感じました。また、発表のためにしっかりと事前準備をしていることにも驚きました。情報からアイデアを生み出す力を実感保健医療学部3年伊藤めぐりさん昭和大生は、対象者を専門的な視点から理解するところから入りますが、思考を重ねモノをイメージし始める私たちとは、目的は同じでもまったくアプローチが異なります。ワークショップでは、お互いの差異が組み合わされたような、良い手応えを感じました。差異が組み合わされた良い手応えプロダクトデザイン4年寺永有希さん昭和大学の実習室で、実際に使われている意思伝達装置(肢体不自由および音声言語機能障がいのある人が意思表出のために使うコミュニケーション機器)に触れたり、自助具を使って片手でじゃがいもの皮をむく調理体験をしたりと、使う人の姿を想像しながら、課題を探りました。成果発表会では、1人1作品ずつプレゼン。昭和大学の教員と学生は作品を実際に手にとって試したり、質疑応答を通して提案への理解を深めました。はADL(日常生活動作)に注目しがちですが、外に出ることが楽しくなるような“あそび”の大事さに気付くなど、異分野から学び合えることが多いと感じました」と語り、学生たちの発想を評価しました。また両大学の先生とも、「これからは異なる専門領域の人たちが、共にイノベーションを起こしていく時代。ぜひ、両大学混成チームによる研究を実現させたい」と、今後への期待を語りました。形美だけでない「デザイン」が生まれます。あらゆる状況に対応し、より良い暮らしをかなえる創造力が、福祉の現場で求められています。ユニバーサルデザインへの取り組みTOTOからの提案を受け、統合デザイン3年の13名が「水まわりの“困った”を“良かった”に」をテーマに取り組んでいます。学生らは9月3日、TOTOのショールームを視察。1912年の創設時から、昨年オープンのGINZA SIXなど最新の製品例までを見て水まわり製品の変遷を学んだり、車椅子の方や障がいがある方用の公共トイレについて実際の製品を見ながら説明を受けたほか、社員と意見を交換。現状を把握するところからスタートしました。そして、同社の現役デザイナーに開発事例を教えてもらいながら、課題を探りました。水まわりの課題解決TOTOあげる力人の気持ちに寄り添い、その人の立場で見渡したとき、単に機能性や造
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