TAMABI NEWS 80号(世界と戦うチカラ<グローバル>特集)|多摩美術大学
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6武田薬品工業ロシア法人による文化事業の一環で、日本とロシアの若手アーティストによる展覧会“克服”が開催され、本学の学生(助手を含む)25名が出展しました。日露文化交流年として開催されたもので、サンクトペテルブルクとモスクワの2都市で実施。ロシア側はイリヤ・レーピン名称サンクトペテルブルク国立絵画・彫刻・建築アカデミーが参加し、本学の学生は、作品運搬・展示にかかる諸費用をロシアから受けて出展しました。また、日本画3年・青田茉美さん、油画4年・高橋鮎子さん、大学院博士1年・WU Qiongさんの3名がモスクワへ招待されたほか、展示会場サイトのトップページには、大学院日本画1年・Yue Jia Yiさんの作品『もし浮世絵の人々が現代社会を旅したら』が使用されました。※学年表記は当時のものです。2018年11月前ページのACCDのみならず、本学は世界中のトップレベルの美術系大学と協定校(P8-9参照)関係にあり、さまざまな交流を図っています。コラボイベントの開催ほか、長期にわたる協働研究や永続的な取り組みもあり、いずれも実践を通してグローバルな意識を培っています。こうした教育が実を結び、近年は海外企業との連携やコンペでの受賞、展覧会への招待参加などの実績も増えています。2018年2月-3月オスロ国立芸術大学デザイン学科との国際交流プロジェクト、『Connecting Wool』が、2018年10月から始まりました。これはノルウェーの公的機関(ノルウェー教育国際協力センター)から人物相互派遣を通じて国際交流を促進する「SIU-UTFORSKパートナーシッププログラム」の助成を受けて進められています。ノルウェー北部で繁殖している羊をテーマに、その新しい活用方法の提案を目的とするもので、日本のテキスタイルテクノロジーに着目したKirsti Bræin教授から協力の要請を受けたことからスタート。本学の生産デザイン学科が参画し、素材研究をベースにデザイン提案までを行うプロジェクトとして、今後4組んだ制作の成果を、本学学生たちの作品と共に展示しました。また、ECALより3名、本学より4名の学生が参加して、スイスと日本それぞれの文化や教育、デザインについて、活発に意見を交わす公開ディスカッションも行われました。これらの進行はすべて英語で行われ、両校は二カ国間の文化の理解と交流を深めました。年間にわたって実施されます。テキスタイル・インテリア・ファニチャー・ファッション・アートなどの領域においてさまざまな協働をしながら、両校の交流を深めていきます。取り組みの第一弾として、本学の学生8名(テキスタイル4名、プロダクト4名)と教員2名がノルウェー各地を訪問し、羊の繁殖地や農場、羊毛関連企業や紡績工場の視察を実施。オスロ芸大の学生7名と本学学生とがペアになって課題に取り組み、集中的なワークショップと発表を行いました。来春は東京での取り組みを計画。ノルウェーの協力企業でのワークプレースメント(就労体験型学生派遣)なども予定されています。世界屈指の名門美大として知られるローザンヌ美術大学(ECAL)と本学は、交換留学やヨーロッパでの展示発表の場などを通して、交流を深めています。2017年5月には、六本木の21_21 DESIGN SIGHTにて、ECAL工業デザイン学科の学生と生産デザイン学科の学生による交流イベントを開催。ECALの学生たちが日本での研修を経て取り●スイス● ローザンヌ美術大学との交流│2017年5月、2018年11月      ●ノルウェー● オスロ国立芸術大学との交流│2018年10月      スイスのランゲンタールで開催された「Design-ersʼ Saturday 2018」に、生産デザイン学科の学生20名が作品を出展しました。17回目となる今回は、企業の他、将来が期待される若手としてスイス国内外から9大学が招待され、日本の大学からは本学が唯一、出展しました。準備・設営を含め海外での出展を学生たちが自力で行ったこと、欧州の名門大学と肩を並べ互いに刺激し合えたこと、そして、さまざまな国からの来場者への対応を自ら行ったことなど、学生にとっては貴重な経験となりました。特にバイヤーと直接対応を迫られてその場で自分の作品をアピールしたことは、学生にとっては初めてのことで、圧倒されながらも、今後に生きる手応えをつかんだようでした。学生25名のアート作品がロシアに招待展示世界各国の美術大学と協働研究やコラボを行う学学連携プロジェクト海外の企業やイベントでの連携事例もスイスで開催の「Designersʼ Saturday 2018」に出展世界的な名門美大とのコラボレーションノルウェーの公的機関の助成を得て始まった4年間の協働研究交流

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