11『La vie』 七條 友紀(統合デザイン) 挙式を彩る役目を終えたウエディングフラワーを再利用したマニキュア。マニキュア液に生花を浸けることで色素がしみ出し、パステル調の色味に変化するというもの。「花の廃棄」を課題に設定し、その日の思い出をマニキュアとして残しながら、プレゼントにも展開できるよう考えた。この作品は東京・渋谷にある「TRUNK(HOTEL)」との共創プロジェクトにて実現に向け取り組んでいる。『アニマルぽっきーず』 川端 樹、久野 新(情報デザイン) 動物がいる檻の横に配置されたARマーカーをタブレットで読み込むと、画面上に骨格が現れ、動物が持つ特徴を直感的に知ることができるシステム。ろう学校で動物の3D制作物を使ったワークショップを実施した際、子供たちが予想を超える反響を示したことから構想したもの。兵庫県の王子動物園や国立科学博物館の協力を得て骨格などを研究したという。グラフィックとシステムを完全に分業制とした、2名による共同作品だ。『へんてこアニマル』 覚野 翔大(プロダクトデザイン) 一見、動物のような形をしているけれど、伸ばしたり開いたりすることで違った形に変化する「あそんじゃうデザイン」をコンセプトにした作品。学童保育施設でアルバイトをしていた時に体験した子供たちの感性、自由な遊び方を作品に反映したという。大学内にある素材研究室「CMTEL(シムテル)」で東レの新素材「Ultrasuede®」の存在を知り、ハニカム構造(強度を損なわずに軽量化が図れる)を駆使することで、思わず触ってみたくなる、ガシガシ動かしても壊れない、ルールに縛られずに直感で遊びたくなるような作品に仕上げた。『月面枯山水』 黒石 閑(環境デザイン) 月へと送るロボットで作る、枯山水の計画を、模型やインスタレーションなどで表現。実習で訪れた日本庭園とその精神を学ぶ中で、宇宙開発の意義との共通点があるように感じたことが発想のきっかけになったという。石庭の中央に置かれた着陸船のレンズは、見上げた先に地球を映し、その光景を地球に送信するためのもの。ソーラーシステムの屋根を設けたことで、月面に建築物と庭を表現したアートであり空間設計の作品である。『MONO MART』 長濱 愛望(情報デザイン) 使わなくなったけれど、捨てるのはもったいない。そんな“タンスのこやし”を集め、便利すぎないコンビニをイメージ。消費社会の象徴であるコンビニに焦点を当て、いらないモノを増やさないための問題提起とともに、モノをうまく循環させる仕組みづくりを提案したもの。そのため、モノにまつわるエピソードや手放した理由、欲しいと思った理由などが記入された「想いのリレーカード」を付加し、一つひとつの商品にストーリーを持たせている。 くすっと笑えたり、ほのぼのと癒やされたり、「でも、何コレ?」的な世界観をイラストや映像、立体作品で表現し、注目を集めているヨシダリュウタ(吉田隆大)。その制作活動は授業課題にとどまらず、独自のアイデアを生かした作品をSNSで積極的に発表し続けている他、在学中に描いたイラストを『もしもアンテナ』(KADOKAWA発行)として出版。企業とコラボしたウェアも発売されるなど、多彩な活動を続けている。彼が「アートディレクションC」の授業課題で制作したのが『オクラ入りゴミ箱』。「お蔵入り→オクラ入り」の言葉遊びから発想した作品だ。ボツになったアイデアを捨てるためのゴミ箱があれば素敵だな、と思い制作したという。この作品も、SNSで大反響を呼んだ。ARを使った動物園の新しい展示方法ARを使った動物園の新しい展示方法ウエディングフラワーを思い出に変えるウエディングフラワーを思い出に変える新素材×ハニカム構造で作った新しいおもちゃ新素材×ハニカム構造で作った新しいおもちゃもし月に枯山水があったらもし月に枯山水があったらいらないモノを循環させるコンビニにいらないモノを循環させるコンビニに4年間の集大成となる卒業制作の中から、いくつかをご紹介します。Twitterで11万6千人超えのフォロワーTwitterで11万6千人超えのフォロワーを持つなど、SNSで話題を持つなど、SNSで話題『オクラ入りゴミ箱』吉田 隆大(グラフィックデザイン)卒業制作以外にも注目の作品卒業卒業制作展で見つけた在学生の「発想力」
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