TAMABI NEWS 83号(若手作家にチャンスな時代特集)| 多摩美術大学
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レクチャーシリーズ01『アーティスト・キャリアをつくる』開催上=第78回展『絵画たらしめる』トークイベントの様子。 下=第77回展『転回する与太話』展示風景。講演を行った建畠晢学長(右)と、五美大出身の若手アーティストによるトークセッションに登壇した三鑰彩音さん(17年大学院日本画修了)。10『アキバタマビ21』では、自分が目指すシーンでアーティスト活動をしていくためのレクチャーシリーズを2019年からスタートしました。5月27日には、『Day 1:Artist-led Practice アーティスト主導の活動はどんな風に大切?』と題し、イギリスのリサーチャーと日本のアーティストによる座談会形式のレクチャーを実施。自ら展示スペースの運営などを行っているアーティストの実践例を伺い、作品を発表する場を自らつくるような活動の意義について考えました。また、6月9日に実施された『Day 2:アーティスト・イン・レジデンスとアート・マーケットの実際』では、滞在制作の多様なあり方と、現在のアート・マーケットに関する興味深いトークが展開され、若手作家や作家志望の学生らが耳を傾けていました。キャリア支援イベント現在、2020年度の展覧会企画を募集中です。応募締切は12月10日(火)。興味のある方はぜひ『アキバタマビ21』のウェブサイトを確認の上、お問い合わせください。 www.akibatamabi21.com作家が自らをプロデュースする、新しい表現の場 2010年、東京都千代田区のアートセンター「3331 Arts Chiyoda」の2階にオープンした『アキバタマビ21』。卒業生の作家活動を支援するスペースとして多摩美が運営する作品発表の場です。「既存のシステムや権威に依存することなく自らをプロデュースし自立していくための、鍛錬の場」をコンセプトに、作家による自己プロデュースを基本としたグループ展を年8回開催しています。テーマはそれぞれの作家たちに委ねているため、作品のジャンルも違えば個性も世界観も、もちろん展示方法も異なり、会場の雰囲気が毎回大きく様変わりするのも特徴です。 なお、出展の基本的な条件は、40歳以下の卒業生を中心とすること、4名以上のグループ展とすること、広報物・アーカイブの作成を行うこと、展覧会の意図を言葉で振り返るために、作家・批評家などゲストを招いてシンポジウムやトークショーを行うことなどです。 出展に際しては運営委員が企画書をもとに実施の可否を検討し、採用された企画の実施に展覧会運営費を支給。非営利スペースのため作品販売は行いませんが、だからこそ新しい価値を世に問うような企画に挑戦できる場となっています。        (※P16に開催中の展覧会情報を掲載しています。)卒業制作が美術業界関係者の目に触れる機会を創出 『五美大展』とは、東京の五美術大学(多摩美術大学・女子美術大学・東京造形大学・日本大学芸術学部・武蔵野美術大学)が連合で行う美術系学科による卒業・修了制作展。毎年、東京・六本木の国立新美術館で開催され、一般来場者だけでなく、学芸員やギャラリスト、アワード審査員など、多くの美術業界関係者が訪れるため、卒業生にとってはチャンスとも言える機会です。また、2019年は本学の建畠晢学長が『職業としての芸術』と題した講演を行いました。講演では作家として世に出る方法にも触れ、「近年は企画だけを行う商業画廊が台頭する傾向にあり、大学の卒業制作展から直接学生をピックアップする方法に変わってきている」と解説。これまでの公募団体展や貸し画廊から作家活動をスタートさせる形が変わってきた潮流を紹介しました。多摩美が運営するギャラリー『アキバタマビ21』国立新美術館で行われる『五美大展』※東京五美術大学連合卒業・修了制作展多摩美が実施しているさまざまな形

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