小山登美夫ギャラリー代表取締役小山登美夫Koyama Tomio 東京藝術大学芸術学科卒業。西村画廊、白石コンテンポラリーアート勤務を経て、1996年に小山登美夫ギャラリーを開廊。日本のアートシーンを牽引するギャラリスト。日本現代美術商協会代表理事。9公益財団法人クマ財団株式会社コロプラ代表、馬場功淳が設立した「クマ財団」は、クリエイターを目指す25歳以下の「学生」の活動支援を目的とした、返済義務のない給付型奨学金を給付。募集人員は最大50名、年間給付額は120万円(月額10万円)。奨学生同士の交流会や、作品発表の場の提供といったサポートも実施している。公益財団法人ポーラ美術振興財団ポーラ・オルビスグループが、美と文化への貢献を目的に設立。助成事業の一つとして「若手芸術家の在外研修助成」を実施。絵画、彫刻、工芸などの創作を行っている者(20歳以上35歳以下)を対象に、12ヶ月で340万円以内の助成金を給付。助成予定件数は、毎年18名程度となっている。 若手作家の発掘と育成を目的とする現代美術の展覧会『アートアワードトーキョー 丸の内』の審査員も務め、将来有望な若手作家や作品に触れる機会も多い小山さん。若手作家たちにとって、今はどのような時代だと感じているのだろうか。「美大の卒業生や修了生の作品を対象にした『アートアワードトーキョー』もそうですが、若いアーティストの作品が人の目に触れる機会は増えていますし、アート作品を販売するWEBサイトも登場しています。また、『アーティスト・ラン・スを呈している。この状況を小山さんは、どう捉えているのだろうか。「社会がアートを求めている。今の時代がアートを必要としているのだと思うんですよ。イベントの方向でアートを使ったり、そのイベントによって街を変えていくとか。アートというものの意味を、みんなに体験してもらう動きが始まったのはすごいことだと思います。また、中国や香港、台湾といったアジアのアート・マーケットが活発化している状況は、日本のアーティストにとっても良い動きだと思います。誰も彼もとはいきませんが、これからアーティストを目指す人にとって良い時代になってきましたね」ペース』と呼ばれる若手アーティストが自主運営する展示スペースも増えている。昔に比べたら美術市場に関わる場所や機会は格段に増えていると思います。今はSNSのように簡単に自分たちの活動を広めるためのツールもある。個々のアーティストがどう成長していくか、どんなキャリアを積んでいくかは次の問題ですが、自分の作品を世に問う、いちばん初めのきっかけは間違いなく増えている。豊かな時代になっていると思いますね」 3年に一度、瀬戸内海の島々で開催される現代アートの祭典『瀬戸内国際芸術祭』や、現代アートの国際展『横浜トリエンナーレ』などのアート・イベントが活況代表的な支援団体(一部)多くの学生、卒業生がさまざまな支援を受けながら作家としての扉を開き、飛躍を遂げています。これから若手作家にとって 良い時代シェル美術賞出光興産株式会社(出光昭和シェル)が1956年から実施している、次世代を担う若手作家のための現代美術の公募展。「若手作家の登竜門」として知られ、グランプリには賞金100万円が授与される。学生支援企画のほか、2018年からは過去の受賞・入賞作家を対象にパリのレジデンス施設で、2ヶ月間の制作活動を支援する「レジデンス支援プログラム」も実施。2019年は13年油画卒業・武田竜真さん(シェル美術賞2011、2012入選)が対象作家として選出された。(詳細はP15に掲載) 村上隆、奈良美智を見出し、世界に紹介したギャラリストに聞く「社会や時代が アートを必要としている」国際瀧冨士美術賞公益財団法人 日本交通文化協会が、1980年から実施している育英事業。パブリックアートの振興と普及を進めている同協会が若手芸術家の育成を目的に、将来を嘱望される日本と外国の美術系大学の学生に奨学金を給付。現在、国内13校(多摩美術大学を含む)、海外7カ国の美術系大学が対象となっている。募集人数は20名程度。奨学金30万円は授賞式にて一括給付される。グランプリ、国際グランプリ、優秀賞、特別賞が設けられている。文化庁新進芸術家海外研修制度美術、音楽、舞踊、演劇、映画、舞台美術などのメディア芸術に携わる新進芸術作家を対象に、海外の大学や芸術団体などへの実践的な研修機会を提供。研修期間は、1年・2年・3年・特別(80日間)・短期(20〜40日)及び高校生(350日)の6種類。2017年度末までに約3,500名が研修を体験している。作家支援
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