TAMABI NEWS 84号(技術が開放する個性)|多摩美術大学
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の場合、グランプリ受賞者には賞金300万円と、副賞として海外レジデンス(渡航費・滞在費・研究費・専門的な助言などの支援を含む)が与えられる。2015年には今号で紹介している毛利悠子さんがグランプリに選ばれたほか、2020年のファイナリストに三原聡一郎さん、和田永さんがノミネートされている(詳細はP.14に掲載)。「AAA」では大賞賞金100万円とアジアの都市での受賞作展示、また、半年から1年間、作品制作場所が提供される。2017年に谷口暁彦さんが特別賞を受賞しており、どちらも多摩美卒業生との縁が深いアワードだ。髙石 陽二 ソニー・ミュージックアーティスツ第2マネジメント本部 制作2部 髙石チーム チーフWada Ei ミュージシャン。慶應義塾大学総合政策学部から多摩美へ3年次編入。旧式のオープンリールデッキやブラウン管テレビなどの古い電化製品を楽器として甦らせ、パフォーマンスを展開。開催地の地域住民も古い家電を持ち寄って参加するイベント『エレクトロニコス・ファンタスティコス!』で、平成29年度『芸術選奨メディア芸術部門』文部科学大臣新人賞を受賞。『扇風琴』。 扇風機に光源とギターストラップ、そしてオリジナルの円盤を取りつけ、回転によって起こる光の明滅を光センサーで拾うことで電気の波=音へと変えて演奏する家電楽器。可能性を見出される場①日産自動車や寺田倉庫も若手アーティストを支援国内のみならず世界のアートシーン進出への足がかりとなるグローバルなアワード「前大学で講師をしていた久保田晃弘先生(メディア芸術コース教授)の授業に衝撃を受け、楽器作りから音楽を表現したいと思い、一切迷うことなく多摩美への編入を決めました。今の活動につながる直接的な入り口が多摩美です。公開講評会にはキュレーターや業界の方々が見に来られ、そこから美術館でのパフォーマンスやイベントライブの実現へとつながりました。多摩美は学内に収まらず、常に社会とつながっていることが大きな魅力ですね」 現代美術の次代を担う日本人アーティストの支援などを目的として、2013年にスタートした「日産アートアワード」。2017年には同じく現代美術のアワード「Asian Art Award supported by Warehouse TERRADA」(以下AAA)が創設された。これらのアワードは若手アーティストの国際的な飛躍を見据えており、「日産アートアワード」さんの魅力を、最も身近な存在である髙石さんに伺いました。 「最初は単純に、『かっこいい、面白い。だからやろう』ぐらいのスタートだったんです。会社的には問題なのかもしれませんが、正直、ビジネス性を感じていたわけではなくて(笑)。そもそも和田君と契約するときにはすでに文化庁メディア芸術祭のアート部門の優秀賞を受賞していたことから、世界各地のメディアアートイベントへの出演が決まっていたんですよ。帰国したと思ったら、また一週間後に行きます、みたいな。契約してからは和田君が子供の頃から夢見ていたことを一つひとつクオリティを落とさないように実現してきて今があるという感じです。その活動を続けてきた中で芸術選奨文部科学大臣新人賞までいただきました。すると今度は国や行政から和田君の妄想力や創造力を求められる。そんな所属アーティストは和田君だけで、『一緒に考えましょう』というケースはないんです。これは他のアーティストのマネジメントでは味わえない体験ですね」アーティストとしての高い評価とビジネス的な成功は、必ずしもイコールではない。それは和田さんにも言えることだが、髙石さんに不安はないという。 「逆に将来性しか感じないですね。今、和田君がやっているイベントに来ている人たちを見ていると、こういう人たちを巻き込んだ、もっと違うアウトプットができる予感があるんです。ある意味、次のステージが自ずと見えてくる気がしています。だからこそ今は、和田君が本当にやりたいことを歪めず、そのままの形で提供しながらクオリティを保つ。そのために必要な費用を工面するのが僕の仕事。最大の使命だと思っています」マネージャーとして 「将来性しか感じない」和田永さんのマネージャーが語る、アーティストとしての魅力国や行政にも能力を認められた アーティストは和田君だけ 数多くのミュージシャンのマネジメントを行っているソニー・ミュージックアーティスツで、ミュージシャンの和田永さんが大学を卒業した2009年以来、マネジメントを担当している髙石さん。ミュージシャンという枠を超え、アーティストとして高い評価を受けている和田6サウンド・アートソニー・ミュージックが見出した唯一無二のアーティスト和田 永 10年情報デザイン卒業可能性を見出され飛躍するアーティスト

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