02 学内に設置された3つの感染症対応委員会の1つ、「PNN委員会」は、安全・安心な施設利用や面接指導の実現に向けて、感染症専門の学校医、教職員から構成された組織です。彫刻学科の水上嘉久教授は、この「PNN委員会」の委員長という立場で、対応の初期段階から陣頭指揮に当たってきました。「いかに学生たちを学校に迎え入れることができるか。難しい試みでありチャレンジでしたね。当初はメディアから得られる情報しかなく、何が正解なのかも分からず手探り状態でした。そんな中、まずは学校医の先生に相談し、共に4日間にわたってキャンパス内の全工房やアトリエ、教室などを回り、換気能力をチェックして収容定員を決めていくことから始めました。その後、各工房の担当教員らと換気対策、多岐にわたる備品の除菌対策など、一つずつ確認していきました」 この活動と並行しながら、各学科から専任のPNN委員を選出。Zoomによる会議に加え、チャットツールの「Slack」を活用し、全学科で情報を共有しながら感染対策に取り組んでいったという。「それぞれの教員が対策に関して、ものすごく真剣に考えて取り組んでくれています。自分の学科や部署で行っていることをSlackに載せて情報共有することで、他の学科でも試せるわけです。やってみないとわからないことが多いですから、とにかく実践してみる。各学科だけではなく、大学が一体となって情報を共有することは、今後の動きにもつながる、とても大切なことだと思います」 その一方、感染予防に関して学生一人ひとりが意識を持つことも重要だという。「安全な空間づくりは大学側が準備するだけではなく、学生たちにも自覚してもらえないと実現できません。それによって、この苦難を乗り越えていくのだという意識が、学生の中にも生まれてくると思うんです。今回のような世界的な事象からは誰一人逃れられない。全世界の人間が問題を共有し乗り越えようとしている。この経験は自分たちの創作活動に必ず影響してくるとも思いますね」 2020年度前期は、世界的に大きな試練の年となりました。学内においては、感染症対策を行いながら面接指導と施設利学留『』会員委応対ンイランオ『、に標目をとこるせさ開再を用会員委NNP『』会員委応対生※』の3つの委員会を立ち上げ、横断的な取り組みで学業の継続を図りました。また、オンラインによる授業対応はもちろん、精神面のフォローや状況に応じた奨学金、就業支援や留学生対応など、学修環境を支えるべく、各部署が主体的に動いた期間でもありました。 この困難の中で、捉え直すことのできた本質もあります。社会がクリエイティブな力を求める強さや、高い出席率に見られる学修への意欲、感染症対策を通じた意識改革や授業形態の多様化は、今後の創作活動にも大きな影響を与えることでしょう。困難を乗り越え、発展につなげるべく挑戦を続ける、多摩美の今と未来をお伝えします。※ Promotion Committee for New Normal = 新しい日常を推進する委員会PNN委員長 水上 嘉久(彫刻学科教授) 学科を横断した取り組みで一人ひとりの意識を変えていくことが大切感染症対策を全学科で共有し、施設利用と面接指導の再開を実現したPNN委員会Challenge to a New Normal難局への挑戦が新たな解を創り出す
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