TAMABI NEWS 86号(2020年度受賞ラッシュ特集)|多摩美術大学
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ま、たとえ失敗をしても、消したり直したりすることもありません。一瞬の筆の中にこそ「真実」があり、そのすべてに価値があると考えているからです。この作品は多摩美の「自由と意力」という理念を体現したものであり、今回の受賞は先生方からのアドバイスや質の高い授業から得られた貴重な経験がもたらしたものだと考えています。学生の皆さんにも「自由と意力」を理念とする開かれた環境の中で自律心を育み、のびのびとチャレンジしてほしいと思います。先生から学生へ「自由と意力」を礎に、美術を通して社会に夢や希望を与える木嶋 正吾 油画教授優秀賞受賞作品『records』町田帆実(19年大学院油画修了・油画副手)今年度は魏さん、町田さんが受賞したほか、現役の学生や大学院生、卒業生ら16名が入選した。受賞および入選作品は2月13日から3月7日、SOMPO美術館で行われた「FACE展2021」で展示された。線的な要素と色彩的な要素とをフォーマルな観点からエレガントに組み合わせた画面の美しさや、緻密かつ繊細な感覚で描かれていることなどが高い評価を受けた。03TAMABINEWS全国の卒業修了制作展から新たな才能を発掘する若手アーティストの登竜門 全国の主要な美術大学・芸術大学・大学院18校の卒業修了制作展に出展された全作品の中から優秀作品を発掘し、東京・丸の内界隈の各会場に展示して審査を実施するもので、2007年から行われている。今年度は5,200点以上の作品の中から最終25作品にまで絞られた。次世代を担う作家たちの清々しい感性が評価される現代美術の展覧会。許 寧20年大学院油画修了多摩美で学んだすべてを凝縮させた作品 はじめて横幅3mを超える大作に挑んだこの作品は、在学中に学んだすべてを凝縮させた集大成の一作となりました。穂先の細い面相筆で極細の線や面を描き、ドリッピングという手法で絵の具のハネ、かすれ、盛り上がりといった偶然性を共存させながら「命の躍動感」を表現し、「巨大な四角い世界」と向き合いました。制作にあたり、私は下描きをほとんどしません。その時々の感情の赴くま世界中がコロナ禍に陥った2020年は、創造的な活動の機会や発表の場が制限されるなど、不安な1年となりました。しかしその一方、学生や卒業生たちが、さまざまなジャンルで続々と受賞するといううれしいニュースもありました。この困難な状況で受けた評価を、どう次のステップにつなげていくのか。受賞者と教授らの声をお届けします。『アートアワードトーキョー 丸の内2020』20年大学院油画修了の許寧さんがグランプリを受賞それをどう次につなげるか

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