TAMABI NEWS 86号(2020年度受賞ラッシュ特集)|多摩美術大学
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先生から学生へ「欲」を持ち、失敗を恐れずに挑戦してほしい2020年度 受賞ラッシュ特集趙 文欣グラフィックデザイン4年グランプリ受賞作品『Donʼt put a price tag on me』 「未だに若い人を値踏みする社会を風刺している作品だが、2枚のイラストの対比と悩む若者の独特な表情、ダイナミックな構図に対して繊細に描かれた目の対比などが実に見事」(佐藤卓審査員長/展覧会図録より引用)と評価された。学生部門ベストワーク賞受賞作品『うごくかん字』漢字の形の面白さに着目したビジュアルブック。240字をデザインし、ページに開けられた窓によって全てが 「形のしりとり」のようにつながる。ページをめくる楽しさが体現できる紙の本ならではの効果を追求した。07TAMABINEWS「Money」をテーマに世界23の国と地域から1,980作品が集まった JAGDA主催で国内外の優れた若い才能の発見と顕彰、およびグラフィックデザインの新たな発展と進化を目的に創設されたコンペティション。ポスターはイメージとテキストの融合による自由な表現、人の心を動かす瞬発力があり、国や地域を超えたビジュアルコミュニケーションが可能なメディアであることから、世界各国の学生を対象とする。今回は「Money」をテーマに作品を募集。23の国と地域から1,980点の応募があった。グランプリ受賞の趙さんをはじめ、グラフィックデザインと統合デザインの学生らが多数入賞した。タイポで表す文字とデザインの可能性を評価 さまざまなコミュニケーションで必要とされるタイポグラフィの巧みな姿を収録する『日本タイポグラフィ年鑑2021』。その応募作品の中から優れた作品にグランプリ、部門ごとのベストワーク賞などが贈られる。明確な構想が「伝わるデザイン」を生み出す秘訣 今回の課題「Money」は非常に現実的なテーマでしたが「お金」を直接的に表現することは避けたいと考えました。そして、自分なりに「Money」の意味や価値について深く掘り下げ、その全てを作品に注ぎ込みました。この受賞を通し、制作の初期段階で「明確な構想」をもつことはとても重要であることがわかりました。自分のアイデアをはっきりとイメージすることで、見る人に共感してもらえる作品に仕上げることができると思います。ポスターは紙一枚で、独自の表現を使って情報を伝えるという目的がありますが、今後は平面的なものだけでなく、もっと新しい形の作品に挑戦したいと考えています。たくさんの人におもしろいと感じてもらえる作品を作りたいです。澤田 泰廣 グラフィックデザイン教授『JAGDA国際学生ポスターアワード2020』 グラフィックデザイン4年の趙文欣さんがグランプリを受賞『日本タイポグラフィ年鑑2021』 グラフィックデザイン4年の原田陽奈子さんが学生部門でベストワーク賞を受賞

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