TAMABI NEWS 88号(持続可能な社会の実現に向けて)|多摩美術大学
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デザイン』を生み出すこともできるでしょう。廃棄されたCDや使い古された金属でデザイン』を生み出すこともできるでしょう。廃棄されたCDや使い古された金属で作ったオブジェ、プラスチックや針金のリサイクルによるジュエリー提案など、社会作ったオブジェ、プラスチックや針金のリサイクルによるジュエリー提案など、社会ですぐに役に立つような優れたアイデアがすでに学生たちから生まれています」ですぐに役に立つような優れたアイデアがすでに学生たちから生まれています」廃棄物を『100倍の価値』に変える 『すてるデザイン■の プロジェクト発足以来、プロジェクトリーダーの濱田芳治 『すてるデザイン■の プロジェクト発足以来、プロジェクトリーダーの濱田芳治教授が所属するプロダクトデザイン専攻を中心に、永井先生の所属する統合デ教授が所属するプロダクトデザイン専攻を中心に、永井先生の所属する統合デザイン学科でも授業の一環として『すてるデザイン』に取り組んでいます。また、ザイン学科でも授業の一環として『すてるデザイン』に取り組んでいます。また、情報デザイン学科での授業の取り組みもはじまっており、学科横断的なテーマと情報デザイン学科での授業の取り組みもはじまっており、学科横断的なテーマとしても広がっています。「統合デザイン学科での課題では、リサイクルできる食品しても広がっています。「統合デザイン学科での課題では、リサイクルできる食品トレイの活用法や、100%リサイクルしていく100円ショップの提案など、学生トレイの活用法や、100%リサイクルしていく100円ショップの提案など、学生の生活の実感のなかから生まれたアイデアが色々と出ました。駅で捨てられたの生活の実感のなかから生まれたアイデアが色々と出ました。駅で捨てられたペットボトルを、皆が使う公共物にリサイクルするというアイデアは、参加する人ペットボトルを、皆が使う公共物にリサイクルするというアイデアは、参加する人の新しいモチベーションの作り方として面白い視点だと思いました」 の新しいモチベーションの作り方として面白い視点だと思いました」 もあって、鑑賞する側にも 新たな気づきを与える作品が多く生まれました。 「気候変動と同様、循環型社会はとても大きな社会テーマで、個人ではその前でなすすべもなく、立ちすくんでしまいます。そんな中で、『これはいいかも』とか『自分にもできるかも』といった気持ちを多くの人に生み出せたらと考えています。この活動が本当に社会を変えていくためには、学生はもとより関心のある企業や社会人も巻き込みながら大きな枠組みにしていく必要があります。そのためには、プロジェクト自体をどうデザインしていくかも重要です」 研究者や実践者のレクチャーなどによって、この領域の知見を深めたり、活動そのものを発信することも行っており、その結果、関心を持ってこのプロジェクトに参加を希望する企業も出てきています。TUBやそれぞれの学科内での展示時に行われる講評会では、学生のプレゼンテーションに対し教員らがさまざまな角度からフィードバックをすることで、学生に新たな視点が加えられるなど意義深い機会となっています。 「何より学生が、このような社会問題への意識を高めると同時に、その解決を考え、かたちにする力をつけることが大事です。そんな学生が、卒業し社会に出ていくことで、さまざまな場所での取り組みが増え、少しずつ社会が変わっていくので 学生が具体的にデザインに関わる機会として、1)企業に対し、リサイクル&リユースされたマテリアルによるデザインを行う、2)産業に対し、リサイクルすることを前提とした製品&サービスのデザイン行う、3)社会に対し、回収する仕組みや循環のトータルデザインを行うという3つのフェーズを用意し、それに基づいてプロジェクトを進めています。学生たちはそれぞれのフェーズにおいて、日常のちょっとした気付きから自ら問いを立て、試行錯誤を重ねながら、その課題解決に向けた提案作品を制作していきます。TUBの企画展の一環として行ったプロジェクトでは、廃棄物を『100倍の価値』に変えるというテーマに、統合デザイン・プロダクトデザイン・情報デザインのデザイン系学科だけでなく日本画・彫刻・工芸などのファイン系の学科の学生も加わり、『すてるデザイン』に取り組みました。廃棄されたCDのもつ特性を生かして時計にアップサイクルした作品や、捨てられた金属の形を生かしパズルのように組み合わせて作られたダルマのオブジェもユニークなアプローチでした。日本画専攻の学生からは落ち葉や枝を活用した、課題解決ではなく心に訴えかけるアート作品の提案などはと思っています」これからの時代に不可欠な課題発見力・解決力を多摩美の教育環境で身につける そもそもデザインとは、身近な自然や社会に目を向け、思考を働かせながらより良い生活を実現させるためのプロセスを意味します。 「単純にモノをカタチにするだけでなく、私たち人間の活動そのものと深く結びついています」 こうしたデザイン視点の発想を求めて、企業や行政、一般大学などさまざまな機関で美大式のデザイン教育に注目が集まっています。アートやデザインが現代社会の中で果たす役割は非常に大きく、デザインリテラシーは先行き不透明な時代を生き抜くためのスキルとしてますます重要視されています。 「多摩美は長い歴史の中で芸術の領域を深く研究し、その成果を基に数多くの学生の教育を行ってきた実績のある大学です。その専門性の高さや充実した設備を最大限に活用し、これからの時代に不可欠な課題発見力・課題解決力を身につけ、社会に還元してほしいと思っています」SDGs、ESG時代に多摩美ができること大学院工芸(金属)2年 下 虎之介「HAIKIMONO -daruma-」8月に行われた『すてるデザイン』勉強会の様子日本画4年 三井 悠華「さよならの気配」統合デザイン3年 小林 優季「時を刻むCDたち」05TAMABINEWS誰でも参加できる『すてるデザイン』勉強会も開催TUBのオープンイノベーション第一弾としてスタートした共創プロジェクト『すてるデザイン』では、有識者の講師による研究プログラム『すてるデザイン』勉強会を開催しています。取り組む上で必要となる知識を深めるため、さまざまな視座から「すてる」を知り、学び、考える機会を提供するものです。誰でも無料で参加できるオンラインレクチャーで、過去3回の開催では学生のみならず関心を寄せる一般の方が数多く参加しています。こうした勉強会や作品展示などを通して本プロジェクトの輪を広げていくことを目指しています。持続可能な社会の実現に向けて

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