03表現によって社会に新たな価値を生み出す人材の輩出。「自由と意力」という建学の精神のもと、多摩美術大学が果たしてきたその使命によって、トップクリエイターを世の中に送り続けてきました。使命を全うするためには、教育方針やカリキュラム、教職員のみならず、それを支える環境が重要な意味を持っていると考えています。11月14日より開かれる「八王子キャンパス展」をきっかけに、あらためてキャンパスを振り返ってみたいと思います。メディアセンターは図書館側から入ると地下1階、本部棟3階からは1階、中庭や講義棟からは2階になる八王子キャンパスは、どのようなコンセプトを持って設計されたのか。2022年11月14日(月)から30日(水)までアートテークギャラリーで開催される『八王子キャンパス展』では、配置検討の際の模型や設計中のスケッチなどの展示をもとに、キャンパス設計の歴史を振り返ります。食堂TAUホール環境グラフィックプロダクト彫刻工芸旧図書館現アートテーク可能な限り複数の接地階にエントランス中央広場を8分割して各棟を配置テキスタイル各学科棟をつなぎ、交流を促す中央広場学生の創作と表現の拠点となる各学科棟は、全て中央の広場から見えるように配置されています。広場を起点として45度に分割することで、8方向に向けて均一に各学科棟へアプローチ。中央広場は新入生歓迎イベントに利用されるなど、季節ごとに多様な交流が生まれています。複数の接地階にエントランスを設ける八王子校地は高低差が41mあり、坂の多さや急勾配な斜面が設計上の課題でした。しかしこの点を逆に生かし、建物に複数のエントランスを設けることで自由な出入りが可能になりました。本来デメリットとされる特徴をメリットに変えるのが、デザインの成せる業です。アートテークにて「八王子キャンパス展」開催
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