「道(Road)」をテーマに「記憶」や「場所」のありかたを考えるTAMABINEWS9211月4日から6日、「多摩美術大学芸術祭2022 in 八王子」を開催し、23,916名の来場者を迎えました。今回はテーマを「変_」(へんぼう)とし、見る人次第で自由に変えられる言葉を掲げ、そのイメージに沿ったビジュアルを展開。4年生をリーダーとした実行委員を中心に、学生たちの自主的な企画・運営で3年ぶりに叶った対面での開催を成し遂げました。来場者の投票によって展示団体のナンバーワンを決める展示大賞は、学科混合のグループによる「パルデア地方を駆け抜けろ!」がグランプリを、統合デザイン学科のグループによる「きゅーとぴあ」が準グランプ10月26日から11月6日、本学TUBにて第20回企画展「デザイン人類学宣言!」を開催しました。これはデザインと人類学との共創の可能性を探る企画で、リベラルアーツセンター中村寛教授がディレクターを務めました。会場ではデザインと人類学、それぞれの特性や相似点を捉え直し、すでに実践されているデザイン人類学的な事例を紹介するパネルや書籍を展示。会期中は中村教授と、TCL・石川俊祐特任准教授、東京工業大学科学技術創成研究院未来の人類研究センター長・伊藤亜紗教授、プロダクトデザイン・安次富隆教授との3つのトークイベントを行いました。いずれもYouTubeにて公開していますのでぜひご覧ください。11月12日、レクチャーホールにて第1回「記憶の道」シンポジウム「On the Road 越境するイメージ」を芸術人類学研究所と芸術学科21世紀文化論の共催で行いました。全所員7名が揃って登壇し、アートや人間の表現活動に着目しながら、「道」を媒介にポストコロナにおける「記憶」や「場所」のありかたについて考えを深めました。シンポジウムの内容は『Art Anthropology』18号(2023年3月)に収録予定です。14芸術祭の様子シンポジウムの様子伊藤亜紗教授と中村寛教授によるトークイベント「生成変化する世界に触れること―身体、美学、技術―」の様子リを受賞しました。期間中は進学相談会も行い、入試参考作品の展示や大学の説明、個別相談に多くの高校生らが訪れました。下北沢駅に設置されているリサイクルボックス壁画制作中の様子統合デザイン・永井一史教授のゼミに所属する3年生が日本菓子専門学校との合同プロジェクト「新しいお菓子体験をデザインする」授業に取り組み、生み出されたお菓子が10月19日から11月3日、玉川髙島屋で展示されました。これはサステナブルな暮らしを提案する髙島屋の「TSUNAGU ACTION WEEKS」のイベントの一つとして出展したもので、授業では「五感で楽しむお菓子」というサブテーマのもと、ロゴやパッケージなどのアプリケーションも総合的にデザイン。統合デザイン学科の学生がデザインした和洋のお菓子が同校の学生たちの手により実現し、11月2日、3日には試食会も行われました。「Creative Sweets」と題した出展の様子統合デザイン・永井一史教授のゼミに所属する3年生がデザインしたペットボトルのリサイクルボックスが、小田急線の3駅に11月14日より設置されています。これはペットボトルの適正な廃棄を呼びかけ、水平リサイクル(ボトルtoボトル)の促進から社会の行動変容までを目指した実証実験として、下北沢エリアの街中と小田急線東北沢、下北沢、世田谷代田駅の構内にある自動販売機横のリサイクルボックスで行われるものです。小田急電鉄株式会社と本学は、2020年に連携協力協定を締結しており、今回は同社が東京都の「事業系廃棄物3Rルート多様化に向けたモデル事業」にも採択された「WOOMSを活用した事業系ペットボトル等の共同回収」の一環として協同しています。また、本学TUBの共創プロジェクト「すてるデザイン」とも連携して進められています。環境デザイン学科の学生有志が7月に開園した八王子市の特別養護老人ホーム「清明園」内を彩る壁画を制作しました。環境デザイン3年・土方身佳さんの家族と施設長とのつながりをきっかけに、同・下里知菜さん、中山晴賀さんと2月に制作を開始。5月からの現場作業は1年生から大学院生まで23名の協力を得て、地下1階から屋上階までの5フロア分の階段の壁や踊り場に、高尾の自然をモチーフにした作品を描き上げました。内覧会でも好評で、地元メディアでも取り上げられました。共創の可能性を探る展覧会「デザイン人類学宣言!」を開催学生デザインのリサイクルボックスが小田急線各駅に設置社会課題を考えるお菓子をデザイン玉川髙島屋で展示環境デザインの学生が特別養護老人ホームで壁画を制作TOPICS3年ぶりの「リアル芸術祭」開催
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