TAMABI NEWS 92号(DX・NFT時代のキャリアを考える)|多摩美術大学
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左上:文庫本の背表紙を集めた「IT」、右上:ニューヨークで展示した「TOKYO BAR」、右中央:こたつを用いたインスタレーション「通信」は、美術家「泰平」名義の作品群。右下:StartrailのNFTを簡単に利用できるアプリ「Startrail PORT」042001年2007年2014年多摩美術大学絵画科油絵専攻卒業東京藝術大学非常勤講師(〜2011年)スタートバーン株式会社を創業、代表取締役就任東京大学大学院修了Open Art Consortium 共同設立株式会社アートビート代表取締役就任経済産業省「アートと経済社会を考える研究会」委員就任東方文化支援財団理事就任東京大学生産技術研究所インタースペース研究センターリサーチフェロー就任2016年2018年2021年2022年アート表現だけでなく、売買の形も変えていくNFTスタートバーン株式会社の代表として、アートのためのブロックチェーンインフラに挑む施井泰平さん。自らも現代芸術家として作品を発信しながら描く30年後、50年後のアーティスト像とは? キーワードは「情報社会」です。NFTによって情報社会と最も親和性の高いアートの形が生まれたと思っています。インターネットが本格的に普及してから20年以上経ち、私たちは地球の裏側の人々ともリアルタイムにやりとりができます。それでも、なぜかインターネットの世界にアートはなじまなかった……。アートはやはり本物を見ないといけないとか、特定のコミュニティがアートを醸成するみたいな土壌があって、それがボトルネックになっていたんですよね。そんな状況がNFTの登場によって、大きく変わろうとしています。NFTとは、ブロックチェーン技術に支えられたデジタル資産のことで、アート作品の唯一性を担保し、その資産性を購入者に保証することができます。NFTは、複製技術を新たな段階に押し上げる革命です。NFTはアートの表現だけでなく、アート作品の売買の形も変えていくでしょう。 私は現在、2014年に設立したスタートバーン株式会社の代表として、アートに特化したブロックチェーンインフラの構築に挑んでいます。それがStartrailです。このインフラ上で発行されたNFTは、特定のアート作品の展示や取引、修復や鑑定など、その価値に関わるさまざまな情報を記録できます。さらに、二次流通の局面においてもその記録は維持されます。ブロックチェーンの性質上、これら01年油画卒業作家と起業を両立スタートバーン株式会社代表取締役/作家 施井泰平 SHII Taiheiブロックチェーンを駆使したアートに特化したインフラを構築NFTでアートシーンを変えながらこれからの時代のアートを考える

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