第12回10「トミカ」や「リカちゃん人形」などの玩具、雑貨、カードゲーム、乳幼児関連商品の企画・製造及び販売を行う玩具メーカー。 創業100周年を迎えた今年、事業の起点を「おもちゃ」から「アソビ」へ進化させ、モノだけにとらわれず、心躍るようなアソビに関する事業を提供していきたいと考えています。 訪日外国人のインバウンド需要も増え、「キダルト」といった子ども心を持つ大人の購入もあり、おもちゃ市場は1兆円規模へと拡大しています。 採用活動を担う立場として感じたのは、多摩美術大学生の企画への熱量、プレゼン力の高さです。授業の質や多様な課題によるものだと思いますが、特にプレゼン力は社会に出ると重要なスキルです。なぜなら、商品のアイデアがあっても社内プレゼンが通らなければ、商品を出すことができないからです。 入社以来、長く関わったキャラクターが「リカちゃん」です。私はもともと興味の幅が広いので、リカちゃんの商品開発が人形だけでなく、車、お家や病院など彼女の世界を丸ごとデザインする点は、大きなやりがいでした。しかも、誕生以来、多くの方に愛されてきたキャラクターで、57年の歴史があります。時代を継ぐブランドを作りあげる醍醐味も感じました。 入社後2年半、リカちゃん事業部のマーケティング課で商品全般のプロモーションやSNSなどの広報業務に携った経験は、商品開発業務の際に役立ちました。商品をどう作れば手に取ってもらえるか、子どもの気持ちやリカちゃんの世界観をより深く理解できたからです。 思い返してみると、マーケティングは大学時代の課題制作のリサーチと通ずるところがありました。何かをつくるためには世の中の流れやニーズを調べ、そこから解決やよりよい方向に導くためにデザインしていくからです。大学で安次富隆先生から言われた「アルミホイルや身の回りのもの、なんでもいいから形をつくっていこう」という言葉は、会社に入ってデザイン業務に取り組む上でもスピーディなアウトプットにつながり、今でも日頃から意識するようにしています。 私は大学3年生まで、「やりたい特定のプロダクト」がなく、車や家電メーカーなど入学時から志望先が決まっている同級生を見るとプレッHitsビジネス本部 ファッションエンターテイメント事業室ファッションエンターテイメント事業部 企画開発課 (15年大学院プロダクトデザイン卒)人財戦略室人財開発部人財開発課 シャーを感じるときもありました。しかし、大学でさまざまな分野に興味を持ちチャレンジしていく中で、自分のやりたいことが見つかり、道が開けました。だから、学生のみなさんも早くから焦ったりする必要はないと思います。 新卒で入社し、研修を経て6月からFEキャラクター事業部で『ひみつのアイプリ』の企画開発に携わっています。実は小学生のときから親しんできたプリティーシリーズの作品なので、とても愛着を感じています。出展イベントで子どもたちがアイテムを身につけ、カードで遊ぶ姿を見ると「こんなにもたくさんの子たちに届いている」と実感でき、ファンの生の声に触れると、仕事の意欲がいっそうかき立てられます。今はまだ商品開発の流れを勉強している身ですが、今後自分の開発したものが出せたらより一層仕事の楽しさを実感できると思います。 大学時代はグラフィックデザイン学科に在籍し、同級生はデザイナーやイラストレーターを目指す人が多かったのですが、私自身、そうしたビジョンをつかめない時期がありました。そんな中、「自分らしさを出すこと」について、授業で学んだ経験が自分の将来につながったと思います。「人と違うところはどこか」、授業や課題を通して自分では気づけない点を周囲から気づかされ、刺激に満ちた4年間でした。その結果、「アイデアや企画を考えることが好き」と、自分の道が見えてきたんです。 1〜2年生のときは基礎的な実習からポスター制作、映像や写真まで、さまざまな課題がありました。そのおかげで広い視野を持てるようになり、自分らしさの輪郭ができあがっていったと思います。 特に広告的な考え方を学ぶ授業では、作品をつくるだけでなく、作品についてプレゼンする機会があり、「人に伝える」言葉の重要性を学べたことは大きな財産です。仕事でも商品企画にキャッチコピーをつけて、売れるポイントをプレゼンする流れがありますが、これは学生時代、課題に対して行っていたことと同じことで、「つくってから伝えるまで」を課題で学べた経験は大きかったです。Hitsビジネス本部 FEキャラクター事業部 企画開発課 (24年グラフィックデザイン卒)メーカー人に「伝える」「届ける」力で企画やアイデアを実現させてくれる存在守谷 彩さん西山 桐さん内田愛子さんタカラトミー企業の人事担当者・卒業生に聞く多摩美への期待と実績
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