加藤さんがA&Rを担当する「NAQT VANE(ナクトベイン)」のビジュアル18音楽制作全般に関わる業務を担当しています。業界的にはA&R(Artists and Repertoire)と呼ばれる職種です。担当するアーティストとコミュニケーションを取りながら、どういう作品を作り、売り出していくかというブランディングやプランニングをはじめ、音楽制作やMVの撮影、CDのパッケージのデザイン制作など、アーティストが発信するものすべてに携わっています。美大と音楽業界は、一見関連性がなさそうに見えますが、実際に入ってみると、美術やデザインの知識が生かされる場面がたくさんありました。たとえば、アーティストの作品を世に送り出す過程をデザインするという点では、広告を専攻する中で学んできたセオリーがそのまま活かされていますし、ジャケットデザインやMVの映像を作る現場では、彩度や色調の微妙な違いをクリエイター視点で言語化し、伝えることもできます。ライブやCDの即売会で、自分たちが作ったものを手にしたり体験したお客様が、泣いたり笑ったりする姿は、何度見ても心にグッとくるものがあります。私の目標は入社当時からずっと変わらず、自分が手掛けたアーティストをヒットさせること。今、担当しているアーティスト「NAQT VANE(ナクトベイン)」は、それこそデビュー前から一緒に歩んできたアーティストで、彼らを売り出すことが、今の自分にとって一番のミッションだと感じています。第2レーベルグループ 第5ユニットチーム4 チームリーダー[2014年 グラフィックデザイン卒]千葉・舞浜の株式会社オリエンタルランド前にてテーマパークの細部に宿る「ストーリー」をデザインで表現し、積み重ねるテーマパークの施設やステージ装飾、グッズなどのデザイン全般を担う部署があり、環境デザイン学科時代の同級生やグラフィックデザイン、劇場美術デザインなどの多摩美卒業生が働いています。入社後はテーマパーク内の施設の改修や追加されるオブジェクトのデザインを2年ほど務め、現在の部署に異動してからは2024年オープンのホテルのインテリアデザインを担当しました。この仕事をするうえで必要とされているのは「物語を大切にする」ということです。たとえば、テーマパーク内にはエリアごとにテーマがあり、「20世紀初頭のアメリカ」「南ヨーロッパの古き良き港町」 など時代や地域の設定が決まっているのですが、その地域ではどのような素材が手に入るのか、どういう道具で物作りをするのかといったことを細かく調べてデザインを考えます。店舗のデザインであれば、店主の性別や年齢、どのような性格で、趣味は何かといった人物像を考えてお店をデザインしていくんです。そうした細部に宿るストーリーをデザインで表現し、積み重ねます。以前にテーマパーク内のレストランのセルフレジの装飾を担当したことがあるのですが、お客様がその装飾から感じ取られたストーリーをSNSで発信されているのを見かけたときはうれしかったですね。ストーリー性を含めてデザインを楽しんでいただけるのが、仕事のやりがいにもつながっています。第8テーマポート推建設グループチーフリードエンジニア[2013年 環境デザイン(現 建築・環境デザイン)卒]※情報は取材時(2023年12月)のものです。多摩美で身に付けたことが、アーティストを発信するすべての場面で役に立っている創造的な進路選択で広がる未来の姿は?エイベックス・ミュージック・クリエイティヴオリエンタルランド加藤 茉由子 さん 高瀬 夏来 さん エンターテインメント編07Interview
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