AI時代を先取りする進路選択|多摩美術大学
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人間の体に1000兆匹いるといわれている菌を、最適な状態に保つためのD2Cサービス「KINS」のブランディングプロジェクト。ブランドサイトやECサイトなどのUI / UX デザインを担当した。パナソニックの高周波治療器「コリコランワイド」の広告コミュニケーション。商品紹介ムービーの企画をはじめ、制作プロジェクト全体の進行を担当。24 意匠デザインを学び、卒業後は修士課程に進む予定でしたが、そこでは研究や論文が中心です。もっと何かつくりたいという思いから他大学の情報を調べ、多摩美の情報デザインを知りました。芸術コースとデザインコースがあるのも魅力でした。絵の素養がない自分は実技だけでは不安なので、理論と実技を補完し合える環境があるのではと期待したのです。そして、そんな自分にも居場所がありました。僕にはプログラミングなどの得意分野があり、それは周囲には新鮮で重宝がられたのです。今もそうですが、仕事の多くはチームで取り組みます。チーム内で強みを生かし合いながらつくりあげるので、不得手だからと心配する必要はなかったのです。現在はUI/UXデザイナーとして、スマホアプリなどのデザインやインタラクション、企業の文化やメッセージを伝えるブランディングの仕事をしています。これは単に機能性や見た目の美しさを追求するのではなく、人の行動や考え方の部分まで掘り下げるところから考えて生み出す作業です。発想からアウトプットまでのプロセスにおいて重要なことすべてを、多摩美で学びました。 就職活動を始めた時、得意分野を持たない自分にはあまりにも選択肢が少ないことに驚きました。そんな時たまたまデザインの本に触れ、「こんなに面白くてかっこいい仕事があるなら自分もやりたい」と。迷いなく就活を止めて受験勉強をし、多摩美に入学しました。でも、同級生たちは絵がうまく感覚が優れていて、絵の経験もない僕が画力で勝てるはずもありません。不安と焦り、年齢的な気後れもあってとにかく成果を出さねばと、必死にやり続けた4年間でした。現在は映像の仕事に携わり企画や制作進行などをしていますが、当時の体験が全部糧となっています。例えばデッサンでは大局的にものを見る目が養われました。右脳と左脳を働かせ、本質をとらえる作業です。また、自分の立ち位置を見つけたことも成果です。僕は絵がうまい方ではないけれど、企画が好き。画力が必要なら得意な人に頼めばいい、と。進路を考える時、これからの社会で何が有利かと考えるのは違うと思うのです。気持ちに正直に、好きなことを追求し続ければ、いずれ点と点とが線でつながっていくと信じています。2005年 入学1997年 入学Takramデザイナー長谷川 昇平さん2011年 卒株式会社クリエイターズグループMAC プランナー白石 尚貴さん2006年 卒理論と実技を補完し合える環境で研究だけでなくモノをつくりたい自分の気持ちに正直になることが職種の選択肢を広げることにつながる千葉大学工学部早稲田大学社会科学部情報デザイン学科 情報デザインコースグラフィックデザイン学科総合大学から多摩美に編入学して

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