アートとゲームの融合でより魅力的な体験を生み出すことが仕事入社後は「真・三國無双」などさまざまなタイトルに携わり、ここ数年では有名IPとのコラボレーションタイトルや新規のオリジナルタイトルなどのアートディレクションを手がけてきました。ゲームのアートディレクションをする際に大切にしていることは「ゲームならではの体験を如何に魅力的なものに見せるか」です。コラボレーションでもオリジナルでも、そのゲームでしか味わうことのできない体験をアートの力によって最大化して、唯一無二の魅力的な体験を提供することこそが私たちの仕事なのです。ゲームクリエイターとしてお客様に新しい驚きや感動を提供していけるような作品作りを目指しています。もともと私がこの業界を目指したのは高校時代からでした。専門学校への進学も考えましたが、同じゲーム業界に進むにしても、アートの知識と職種の選択肢は広い方が良いと考え、多摩美への進学を決めました。実際にゲーム制作の現場で、多摩美で学んだ幅広いアートの知識が生きているからです。ゲームはキャラクターモデルや背景、モーションなど色々な要素で成り立つ世界。例えば3DCGを使った映像のカメラを調整する時には、自分の専門外だった写真の授業での経験が役に立ちました。私にはいずれ開発ディレクターなど、よりゲームを生み出す側に近づきたいという夢がありますが、キャリアアップを目指す意味でも、多角的な学びは必要だったと思っています。エンタテインメント制作本部 CG1部マネジャー[2005年 グラフィックデザイン卒]ゲームの設計からプロモーションに至るまでのクリエイティブ全体を管理入社当初に配属された部署では、『キングダム ハーツ』『ファイナルファンタジー』といったビッグタイトルに関わる責任感や、多くのお客様の期待に応える達成感を学ばせて頂き、その後、スマートフォン用アプリ『ディアホライゾン』のアートディレクターを担当し、ゲームの設計からプロモーションに至るまでのクリエイティブ全体を管理しました。油画専攻からなぜ? いきなりデジタルに行けるの?と思う方もいるかもしれません。でも、僕が好きなゲームのグラフィックスは、しっかりした陰影やハードな世界観が、実はすごく西洋絵画的なんです。それに、初めてMacを買いペンタブレットで絵を描き始めた時、「なんだ、デジタルでも結構いけるじゃないか」と(笑)。ゲーム業界でデザイナーを目指すなら、まずしっかりした画力と、更に「どうすればより洗練され、ビジネスとして結果を出せるところまでクオリティーを高められるか」を考えて欲しいですね。もちろん、美大以外にも道はあります。でも、多摩美なら油画専攻でもCGがやりたければやれるなど、自由に挑戦できる環境が整っています。また、色々な感性が集まっているので、視野を広め感性を養うには最適な場所です。技術だけでなくビジネス面にも役立つ思考やマインドを養うチャンスに恵まれていて、そういう面が、多摩美の強みだと思います。アートディレクター[2002年 油画卒]※情報は取材時(2017年)のものです。創造的な進路選択で広がる未来の姿は?大星さんが関わった『WILD HEARTS』© 2023 Electronic Arts Inc. © コーエーテクモゲームス All rights reserved08齋藤さんがアートディレクションを手掛けたロールプレイングゲーム『ディアホライゾン』コーエーテクモゲームススクウェア・エニックス大星 悠 さん 齋藤 昌大 さん ゲーム編02Interview
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