多摩美大入試ガイド 2019
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美術学部 絵画学科 油画専攻 デッサン・油彩油画026《教員コメント》油彩=いっけん絵の具を厚く盛ったタッチが、画面に強度をもたせることのみを目的とした安易な技術に見えてしまうかもしれません。しかし、そのタッチをよくよく見ると、つい見過ごしてしまう世界の刹那的な煌めきを、絵の具という物質との戯れから、瞬時に抽出しようとするアクロバティックな行為として見えてくるのです。その表現力の高さに感嘆しました。デッサン=背景がとても魅力的で、油彩と同様、描く行為によって生まれる繊細な物質的表情を、瞬時に逃さず捉えているところに好感をもちました。 (文責=栗原一成准教授)《教員コメント》ハガキを窓からの光を受け止めるスクリーンとして描いた油彩。透けた紙の色や一度折り曲げた後など、丁寧に観察され描写されている。内と外、あるいは自分と他者とを結ぶものとして、窓とハガキを並置させたのだろう。ハガキを持つ力強い手の描写からは、自分の世界を切り拓いていこうとする意思のようなものを感じる。デッサンも光が美しい。対象がしっかり描かれているだけでなく、男の手前や奥へと広がる空間、椅子のパイプとパイプの間など、物への意識と同等に大気の明るさがしっかりと意識されている。 (文責=石田尚志教授)
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