多摩美大入試ガイド 2019
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美術学部 絵画学科 版画専攻 デッサン版画036《評価ポイント》丁寧に対象を観察し、表現しようという気持ちが伝わるデッサンではあるが、観察が部分の理解にとどまり、モチーフとモチーフとの関係性の把握が不十分なところがあるため、画面全体における空間の弱さに繋がっている。欠点はあるものの、目の前のモチーフに対峙しその存在感を徹底して描こうとする真摯な姿勢には、今後の可能性を感じさせるものがある。《評価ポイント》作者がモチーフの素材感の違いと、形の持つ特性を掴み描いていることがよくわかるデッサンである。モチーフの形状を上手く掴み、画面に広がりのある安定感のある空間を作りだしている。あわせてモチーフを細部まで観察し、異なる素材感を力強く描ききろうとしている点が評価できる。《評価ポイント》独特な世界観である。ペットボトルが爆弾のように空から降り注ぎ、それを表情のない1人の人物がただじっと眺めている風景。木炭の表現には慣れているようで、コントラストの美しさも際立っており、とても魅力的に写る。ただし今回はモチーフ出題だったこともあり、モチーフの描き込みがもう少しあっても良いと感じる。例えば、ペットボトルの素材感をもう少しリアルに描いてあげるだけでも良いのかもしれない。そうすることで、決してコミカルではない重さを感じるテーマではあるが、ただ重いだけではない作者の見所の一部が表われ、何を描こうとしているのかの主体性が、より明快になったのではないかと感じる。
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