多摩美大入試ガイド 2019
56/130
070掲載作品は合格者より選定●専門試験鉛筆デッサン(5時間)【問題】床にダンボールの箱(およその外形寸法:幅75㎝奥行25㎝高さ25㎝)が3個置かれている。この箱を6個以上使って、立体構成した状態を想定し、鉛筆デッサンしなさい。【条件】1. 背景(教室内観)、人物、イーゼルは描かないこと。2. 箱の向きと位置は、変えても積み重ねても良い。3. 立体構成は、床に置かれた状態で描くこと。4. 箱は、切ったり加工したりしないこと。5. 少なくとも2つの箱は、フタを開けた状態で描くこと。6. 記名票は縦位置の場合は右上、横位置の場合は右下にして置くこと。【注意】出題の内容に関する質問にはお答えできません。【使用紙】BBケントイラストレーションボード(荒目/B3)●採点基準鉛筆デッサン・出題の意図 = 出題の意図を理解しているか・問題の理解 = 問題の与条件を理解しているか・空間の構成 = 構図の意図が明確かどうか・描写力 = かたち、光、空間、素材感が正確に描写できているか・構成力 = 空間の中での立体的な構成が考えられているか●出題のねらい・採点ポイント鉛筆デッサン環境デザインの対象となるのは、身の周りの小さなスケールから、都市的な大きなスケールまでさまざまです。単体の「もの」だけでなく、もの同士や、ものと場所との関係で「空間」を造ることが環境デザインです。「空間」を意識した造形表現が必要となるため、空間的な表現能力をみる出題となっています。環境デザインの領域では、スケッチや図面といった「想定表現」が重要になってきますので、その基本的な表現力をみるため、実物のモチーフを目の前にした「立体構成の想定デッサン」としています。「教室内観は描かない」としているのは、空間の奥行や広がりを感じさせる背景も大切ですが、より作者の立体構成力(空間表現力)を評価するためです。採点のポイントとしては、問題文に「床にダンボールの箱(およその外形寸法:幅75㎝奥行25㎝高さ25㎝)が3個置かれている」とモチーフの大きさが示されており、それを6個以上使った構成において、縦横の関係を考え、立体構成の基準として把握しているかを最初に評価します。次に、箱自体にも内側と外側という空間がありますが、それらを複数使った箱同士の関係=「空間」が意図されているがポイントとなります。構図や目線の高さによって、空間的な高さと、奥行表現がされていることが重要です。そして立体構成が置かれている「床の存在」と「光と影の表現」そこから見えてくるダンボールの「素材感」が最終的な評価ポイントになっています。美術学部環境デザイン学科
元のページ
../index.html#56