油画 美術学部絵画学科油画専攻デッサン・油彩《教員コメント》油彩=ひとつの大きなイメージを強く生み出していると同時に、複数の断片的なイメージが際立っている。また、具象的な絵画だが、風景として遠くにあるものを、そのまま遠くに描くのではなく、前景と同じ位置にあるように描き、抽象性の高い表現を試みている。このような矛盾を孕んだ両義的な視点が、複雑な画面構造をつくり、見る者の目を飽きさせないのである。デッサン=油彩とは異なりきわめてアカデミックなデッサンである。骨格や筋肉の描写、粗密の描きわけ、明暗設定、空間表現等、総合的に見て秀逸さを感じる。 (文責=栗原一成教授)《教員コメント》キャンバスを手に持ち木を描いている作品。絵の具で引かれていく線が筆や手の影へと繋がり、木漏れ日が揺れる影を作っている。絵の余白がただ単に何も描かれていない白い面としてではなく、光や影や風によって豊かな時間が生まれる場所として捉えられているのが魅力的だ。本来このような描き方はしないだろうが、不自然さを感じさせない強さがあり、絵を描くとはどんなことかが率直に表現されている。デッサンでは、椅子に座る際の細やかな身体の角度や力の入り方、また椅子や衣服の質感もよく観察されている。 (文責=石田尚志准教授)032
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