油画 美術学部絵画学科油画専攻デッサン・油彩《教員コメント》今年の受験生は油彩のモチーフである白紙のキャンバスに何を思い描いたのだろうか。この作者はキャンバスを寝かせてその上に町並みを作り上げた。発想はいい。しかし筆立てでできたビルのように、キャンバス以外の画材や色彩でもっと遊んでほしかった。デッサンはモデルをよく観察しており、肌やジーンズの質感表現や色味の描き分けに成功している。かたちの狂いはあるが、丁寧に描写しており好感が持てる。 （文責＝菊地武彦教授）《教員コメント》油彩は、小さなキャンバスを中央に配置するという単純な構図でありながら、木目の描写によって物事におけるフェイクとリアルの境目の曖昧さを考えさせるようなところがあり巧みである。ややトリッキーではあるが、全体の構造として、支持体であるキャンバスとモチーフである小さなキャンバスの関係が面白く、木目の繋げ方や、釘の映り込みなど、細かいところにも力が入っていて、状況を複雑にさせている。デッサンについては、丁寧さを感じるが、もう少しかたちを客観的に捉えられると良いと思う。 （文責＝髙柳恵里教授）034
元のページ ../index.html#18