入試ガイド2020|多摩美術大学
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版画 美術学部絵画学科版画専攻デッサン《評価ポイント》モチーフの捉え方に少々固さを感じるものの、全体的によく観察し、清潔感のあるデッサンになっていると感じます。特に、カリフラワーと透明ホースとの関係性と質感を作者は表現しようと努力しています。複雑な葉の表現、コロっとしたカリフラワーやホースの質量や重さがよく捉えられています。角材は形や処理の弱さが気になりますが、天候の影響で通常より時間が少なかったことを考慮しても、最終的な描きこみの密度も想像できるものだと感じました。《評価ポイント》カリフラワーと檜の木の立方体2個を画面一杯に力強く配置し、ビニールチューブの流れによって動きのある構成となっています。形態にやや甘さが見られること、カリフラワーが部分的に表面的な表現になっていることが気になりますが、ビニールチューブの透明性や質感など、細部の執拗な描写はエネルギーを感じさせ好感がもてます。実直にかたちを掘り起こし、丁寧にモチーフに向き合おうとする姿勢が今後の可能性を期待させます。《評価ポイント》素材の違いを丁寧に見ることでモチーフの質感を表現しようとしています。木炭のトーンも綺麗で、空気感も含め、作者の丁寧に表現しようとする姿勢が伝わってくるようなデッサンです。ただし、全体的な質量、またモチーフ同士の配置設定や奥行きが甘く、単調な印象を受けてしまいます。カリフラワーを中央から少しずらし、奥と手前の角材の設定距離に差をつけモチーフを組むなど、ちょっとした工夫でもう少し描きやすい設定にできたかと感じます。038

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