入試ガイド2020|多摩美術大学
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掲載作品は合格者より選定●専門試験鉛筆デッサン(5時間)【問題】モチーフすべてが台の上に置かれた状態を想定して、鉛筆で描写しなさい。【条件】用紙の縦、横は自由とする。【注意】出題の内容に関する質問にはお答えできません。【使用紙】BBケントイラストレーションボード(荒目/B3)●採点基準鉛筆デッサン・理解力 = 問題内容の理解が正しいか・描写力 = 構図、立体認識が出来ているか・観察力 = 物質感を的確にとらえているか・空間把握 = 物と物の関係を的確にとらえているか・個 性 = 独自の表現があるか●出題のねらい・採点ポイント鉛筆デッサン鉛筆デッサンでは、対象を観察しそれを画面で表現する基本的な描写力を問います。基本的な描写力とは、まず、対象の形態を正確に把握し、さらに見る人に伝えることです。観察するとはモチーフの輪郭や見えている表面をなぞることだけではありません。前後左右の位置関係や空間の描写と画面の構成、さらに画面全体の空間の奥行き雰囲気やモチーフがどんなふうにできているのかその成り立ちや構造を読み取ることも含まれます。そして見えている部分と見えていない部分との関係を理解することです。作り手にはそんな「ものを分析して見る視線と意識」が求められます。次に、モチーフの材質感の表現です。デッサンを見る者にモチーフの手触りの記憶を豊かに呼び起こしたいものです。また、質感の違いを描き分けることで、モチーフの存在感が際立ちます。ありふれたものの材質感も感受性を働かせて受け止めることで、瑞々しく見えてきます。また、モチーフが何でできているかという材質は、形態の成り立ちにも影響を与えていることも見えてきます。集中して見る訓練は、デッサンだけでなく、手を動かしてものを作ることにも現れます。鉛筆デッサンはモノトーンの表現ではありますが、鉛筆の濃度の選択やその使い方、手の動かし方を効果的に用いることで、モチーフの材質感のみならず、モチーフのもつ色やモチーフ同士の色彩の関係をも表現できます。手と鉛筆と紙。その使い方を工夫することで鉛筆だけでも様々な効果が出せるものですし、そういうデッサンは見ていて飽きません。限られた材料であっても、作り手が手をかけ工夫することで魅力のあるものができあがるのは、工芸の世界の面白みに通じます。また、モチーフの位置関係を想定し、画面を構成するには、描き手の自由な解釈力や発想力、そしてバランス感覚が求められます。同じモチーフでも描き手が違えば、違った雰囲気をもつ画面になるのは当然です。デッサンといえども一点の作品であり、そこには作り手がモチーフから受け止めた印象や感動が画面全体から見えてきます。基本的な描写力を問いはしますが、型通りであることにしばられず、のびのびと自分らしく描くことを期待します。既にそれが「ものを作る」姿勢であり多摩美の工芸学科はそんな自由な力を大切にします。048美術学部工芸学科

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