日本画油画版画彫刻工芸グラフィックプロダクトテキスタイル環境メディア芸術情報芸術統合演劇舞踊劇場美術一般選抜■■教員コメント油彩は、色彩鮮やかな無限空間のようだ。よく見ると口を開けた顔とカセットテープが、うっすらと重なり合っている。カセットテープは、点、線、面に解体され反復し、リズムと動きをつくり透明な多層空間に変容しているようだ。歌声や演奏の響き渡るイメージを見事に浮かび上がらせている。デッサンは、質感が素晴らしく、人物の肌やコスチュームの襞を柔らかく描きだしている。しっかり観察し全体の流れを把握しながら細部まで丁寧に表現している。物思いにふける顔の表情からポーズする人物の心情や性格まで感じられそうだ。教員コメントこの作品はとてもユニークだ。キャンバスが細く切り取られ、それが巻かれている。その続きは平面の上に描かれた磁気テープとなり、カセットと美しい影が描かれている。切り取られたキャンバスの向こうに見える木枠と、描かれたテープとの影に、我々はどのような関係を見つけられるだろうか。多くのことを考えさせられる作品だ。デッサンも描かれた一つ一つに強い存在感がある。椅子や壁に少し不自然な歪みがあるが、正確かどうかということとは別のリアリティーがある。デッサン、油彩ともに、絵画の存在を確認するということについて、意識があることがわかる。(文責=木嶋正吾教授)(文責=石田尚志教授)
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