入試ガイド2021|多摩美術大学
31/160

日本画油画版画彫刻工芸グラフィックプロダクトテキスタイル環境メディア芸術情報芸術統合演劇舞踊劇場美術一般選抜■■2017年度より版画専攻のデッサン入試は、モチーフを描写する基礎的な描画力を評価する内容に変更されました。本年度の出題は、キッチンペーパー1ロール、フリーザーバッグ1枚、赤、オレンジ、黄色のパプリカが1個ずつモチーフとして与えられ、それらを机上にて任意に構成し素描するという内容でした。モチーフの特性を踏まえた基本的な描写力、観察力、構成力があるかを判断することがねらいです。キッチンペーパーの軽く柔らかな材質感、フリーザーバッグの袋としての形状と透明性、三色のパプリカの色彩の違い、人工物と自然物のモチーフが持つ素材の特性の違い、これらの形体や色、性質の違いを正確に捉えてその特徴を活かしながらモチーフを適切に構成し、表現力豊かに描写できているかが採点のポイントとなります。基礎的なデッサン力を中心に採点をしていますが、作者がモチーフの何に興味をもち、どのようなテーマ性をもって取り組んだかも付加して総合的に評価しております。2019年度入学試験から新しく導入された試験科目です。入学後、版画制作、デザイン系授業課題の際に求められる色彩構成力と共に、与えられたモチーフからどのように発想し、表現に展開しているかなどを主として評価する課題です。本年度の試験ではモチーフに黄色の透明アクリル板、赤パプリカを与えています。モチーフには、持参用具の1つであるカッターナイフで切断等の加工は自由です。ここでは、黄色アクリル板の透明性とそれを通して見える世界の現れ方、そしてパプリカの独特な形態と構造、赤色の色彩性など、各モチーフが持っている特徴をどのように捉えて、それをどのようにビジュアルアイディアに発展させているかが重要となってきます。受験生によっては、試験前に予め用意した自分のイメージにこだわりすぎて、与えられたモチーフをほとんど取り扱っていないケースがありますが、これは試験課題のねらいから大きく外れてしまうので、採点の点数がなかなか上がってきません。ポイントはモチーフの特徴を各自のテーマ、発想のもと色彩で構成し、表現することにあるので、ここを押さえていれば、一定の評価を得ることができます。デッサン モチーフ色彩表現 モチーフ版画《一般選抜》出題のねらい・採点ポイントデッサン色彩表現

元のページ  ../index.html#31

このブックを見る