入試ガイド2021|多摩美術大学
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日本画油画版画彫刻工芸グラフィックプロダクトテキスタイル環境メディア芸術情報芸術統合演劇舞踊劇場美術一般選抜 ■出題のねらいは、デザイナーとしてヴィジュアルコミュニケーションするのに必要なデッサン力を求めています。それには、創作の原点ともなる日常の観察、そこから生まれる発見、考え、ひらめきなどが引き出せるよう想定デッサン問題にしています。過去に出題された 1「あやとりをする手」2「ピンポン玉を2個持つ自画像」3「美しいポーズの両手」 4「人体」5「両手で鳥を持っているポーズ」6「両手と白い一枚の紙との美しい関係」7「二人の両手」 8「手と植物」 9「両手と一冊の本で読書を表現」10「鏡の立方体を両手で持つ状態」11「両手と3個の石とでできる美しい状態」 12「両手で水の入っているコップ を持つ状態」 13「指で『ん』という文字をなぞる手と、もう一方の手を想定」 14 「両手と野菜を想定」 15「積木を積む両手」 16 「ロープを結ぶ両手」 17 「魚をつかんでいる両手」 18「ふろしきで、ものを包む両手」 19「紙を折る両手」20「紙(白)の建造物模型を持つ両手」 21 「写真を持つ両手」22「手をにぎる両手」23「料理をする両手」 24 「ローソクに手をかざす両手」 25「ノミとハンマーで石を削る両手」 26 「楽器で演奏する両手」 27「スポーツをする両手」とわかるように、特別なものではなく日常の生活の観察からうかがえる想定デッサンとして意図しています。色彩構成ではテーマの本質をどこまで的確に定着出来たかを見ます。それに答えるには、問題文を客観的に理解する常識と、造形を大胆に切り詰める勇気が必要となります。造形を切り詰めると、イメージの強度が増し、見る人の心に明快に伝わります。そして、自分の考えもはっきりと自覚出来るのです。また、レタリングを課しているのにも理由があります。人や社会に何かを伝えるグラフィックデザインという行為には、言葉を意味あるカタチに置き換えた文字はとても重要な存在です。しかも文字の美しさは文化のバロメーターであり、先人達からの大切なバトンでもあるのです。出来るだけ丁寧に描くことを心がけてください。今回の主題テーマは「花・鳥・風・月」です。幅広い解釈が可能なモチーフです。だからこそ常識を手玉に取った魅力的なアプローチや定着方法に、 のびのびとした独自性ある表現を期待しました。歴史を知り、ものごとの本質を見極め、それを個性ある表現に置き換えられる力は、美術大学でデザインを学ぶ人にとって凄く重要な能力なのです。※色彩構成は、縦450×横350(mm)の画面を掲載しています。教員コメント発想=作者はバレーボールを選び、その象徴的なポーズを描いた。そのポーズは、ボールをトスする時の一瞬の緊張感を描いている。描写=ボールと手との緊張感を理解し、描こうとしている。さらに、各指の難しい仕草もよく理解している。教員コメント発想=レシーブしている時の緊張感をぼくたちに伝えようと描いている。ボールの一部だけが現れている所が良い。描写=すくっと出ている腕と握りこぶしの手の表現が上手くいっている。ボール、手、床に写り込んでいる影が見事。グラフィックデザイン《一般選抜》出題のねらい・採点ポイント鉛筆デッサン色彩構成

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