日本画油画版画彫刻工芸グラフィックプロダクトテキスタイル環境メディア芸術情報芸術学統合演劇舞踊劇場美術一般選抜■ 張り付かずにはいられない植物に成りきりすぎた生命体ちぎってみたけどまだ生きてるね魂に寄生し、のっとっていく。教員コメント生物的なレベルで考えると、深い共生は濃密な接触をともなうものであると考えた。節足類の吸盤は、まさにもっとも根源的なコミュニケーションといえる。透明ケースにへばりつく様子で、その密着度を迫真的に表現できている。しかし実際ここまで迫ってくると、さすがにたじろぐこともあるかもしれない。教員コメントこの生命体は擬態として植物の姿を模倣したのだろうか?動物としての生命体の生態を感じる事が出来るヒントが欲しかった。重力を感じる構図は動きを感じ大胆だ。教員コメント「ちぎってみた…」という行為がタイトルだ。未知の生き物と遭遇したときに行われた冷淡な試みは、扱われている生き物の形状や振る舞いだけでなく、対峙する人間の冷酷さを表す。ちぎる前に付けられた指跡も痛々しい。発見された生き物の形状よりも、発見者の生々しい気持ちが伝わってくる。教員コメント「メディア」はその語源に「霊媒師」という意味を含んでいる。だから私たちはスマートフォンなどのデジタルメディアにおいて、日常的に魂(コンテンツ)を呼び出し(ダウンロード)入れ替えたり(インストール)しているわけで、これはほぼ降霊術と言える。つまりこれは私たちの姿の反映なのだ。
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