20[教員コメント]デッサンは、「今ここで見えているもの」を基本にしながら様々な断片を散りばめ新たな画面をつくり出している。標識やピクトグラムという無機質なモチーフを大きさや配置を変え不思議な物語に仕立て、壁と床の対比が明快な小気味よい作品となっている。油彩では、「ケムリ」や「大気」を思わせる「背景」と三角形の標識とのコントラストが画面に変化とバランスを与えている。背景の茶色い形の「つながり」が「不可思議」で有機的な全体性を持ったものに見え、問題文から作者の興味の対象や世界観に楽しく変換されている。 [教員コメント]自分は今まで何回右手と左手を組んだんだろうか。右手が触れる左手というオブジェクト、左手が触れる右手というオブジェクト。手は世界を変容させるための器官で、それが野放しに向き合っている、不思議な絵だと思った。 (文責=木嶋正吾教授)(文責=千葉正也講師)
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