入試問題集2022|多摩美術大学
28/172

26[教員コメント]バナナの形態性をうまく引き出し、青いアクリル板の向こう側とこちら側の境界を意識した構成となっています。向こう側の黄色に消えゆくバナナと青い透明性にしっかり浮かび上がるバナナとの対比が非常に魅力的で、板をまたぐ皮の配置も絶妙です。ただ、青いアクリル板の透明感が少し不足しているので、バナナの描写に工夫が必要です。[教員コメント]アクリル板を通して見えるバナナの現れ方や、バナナ独特な形態と構造を素直に捉えて描かれています。また、バナナの実や皮のテクスチャーを線の強弱で表現したことで、色面と線の構成が印象的な作品となりました。しかしながら、アクリル板に映り込んだ光の入れ方にはもう一工夫欲しかったと感じます。[教員コメント]若干バナナが古くなっている感じですが、バナナらしさや青の透明感がリアルに表現されています。くの字のバナナが反復される中をアクリル板の直線を交錯させるレイヤーの構成になっていて興味深いです。ただ、直線はしっかりと真っ直ぐにする方がその構成がよりクリアになったでしょうし、光の反射の表現も稚拙になってしまったのが気になります。[教員コメント]バナナをよく観察したことによって得た要素や形を、リズミカルに配置し画面構成を行っています。アクリル板を通して見えるバナナの現れ方は、色彩と相まって魅力的な表現になっていると感じます。もう少し、アクリル板の入れ方や色調に変化をもたせることで、より豊かな表現へと繋がったでしょう。

元のページ  ../index.html#28

このブックを見る