入試問題集2022|多摩美術大学
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49[教員コメント]「手と掃除道具」という設問に対して、道具を使用しているシーンが丁寧に描写されている作品です。遠近感を意識し過ぎたのか、手前の手と奥の手のサイズ感に多少の違和感は感じますが、手の肉感や細部にわたる陰影等の描写には熟練度を感じます。掃除道具の質感表現や丁寧な描写も目を引きます。[教員コメント]掃除という行為の日常的な一コマを、縦構図に巧みに配しています。道具を握る手、粘着シートを■る指先の力加減が、空気感のある描写の中で丁寧に描き分けられています。道具のセンター位置、粘着シート部の楕円に多少の難はありますが、作者が描き出したいストーリーが感じられる作品です。[教員コメント]この鉛筆デッサンはスプレーを持つ手、スポンジを持つ手、それぞれ異なる力のかかり具合が感じられ、加えて、力が及ぶ事での微妙な変形や指の掛かり等が丁寧に描写されています。そこに日常的な観察力の高さが窺えます。鉛筆表現での色数の少なさは多少感じますが、力強さが評価されました。[教員コメント]この作品の評価された点は、ハンディクリーナーという形状や仕組みが複雑なモチーフに挑み、重量のあるモチーフを持つ右手の力強さと、デリケートな充電ジャック部を摘んでいる左手の描き分けに成功していることです。空間を意識した上下の手にあたる光のバランスや方向性も心地よいです。

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